セント・オールバンズの書

テキストの下にカラー印刷と鉛筆によるわいせつな絵を追加。ケンブリッジ大学図書館
イングランド王室の紋章を持つ従者

セント・オールバンズの書(The Book of Saint Albans、原題はBoke of Seynt Albans)は、1486年に印刷された、当時の紳士の関心事に関する事柄をまとめた書籍の通称である。 [ 1 ]イギリスのセント・オールバンズ出版社が印刷した8冊のうち最後の1冊である。 [ 2 ] [ 3 ]より正確なタイトルとして、 「鷹狩り、狩猟、武器の爆破の書(The Book of Hawking, Hunting, and Blasing of Arms)」などがある。 [ 4 ]印刷者はスクールマスター印刷者と呼ばれることもある。この版では、本書、少なくとも狩猟に関する部分はジュリアナ・バーナーズによるものとされており、1486年版の末尾には「狩猟の書におけるジュリアナ・バーンズによる明確な記述」と記されている。 [ 5 ]

鷹狩り狩猟紋章学に関する3つのエッセイが収録されています。本書は人気を博し、何度も版を重ね、すぐに釣りに関するエッセイも追加されました。[ 6 ]紋章学のセクションには、黒インクとページの白を含む6色で印刷された多くの紋章が掲載されており、これはイギリス初のカラー印刷でした。 [ 7 ] 16世紀には大変人気があり、何度も再版されました。1595年にはジャーバス・マーカムによって『紳士の学問』として 編集されました。[ 8 ]

この本の出典に関する研究によると、そのほとんどがオリジナルではないことが示されています。『軍の手記』の末尾には、このセクションは「翻訳され、完成された」と明記されており、他の論文もおそらくフランス語からの翻訳であると考えられます。[ 8 ] 漁業に関するこの論文の古い版は、アルフレッド・デニソンが所有していた原稿から、1883年にT・サッチェル氏によって編集されました。この論文はおそらく1450年頃に書かれたもので、1496年の本のこのセクションの基礎となりました。初版の完全な写本は3部しか現存していません。ウィリアム・ブレイズによる序文が付いた『セント・オールバンズの書』と題された複製が1881年に出版されました。 [ 9 ]

ジュリアナ・バーナーズ

ジュリアナ・バーナーズは1486年版にも登場しますが、その生涯についてはほとんど知られていません。彼女はハートフォードシャー州セント・オールバンズ近郊にあるソップウェル聖マリア修道院ベネディクト会院長であったと言われています。彼女はおそらく貴族の生まれで、それが彼女の教育水準の高さと野外スポーツへの愛好を物語っていると考えられます。 『セント・オールバンズの書』のどこまでがジュリアナ・バーナーズによって書かれたのかは明らかではありませんが、狩猟に関する論文で最もよく知られています。

ウィンキン・デ・ワードは、自身の版で彼女の名前を「デイム・ジュリアンズ・バーンズ」に変更しました。バーナーズ家の系図にはそのような人物は見当たりませんが、1430年から1480年の間にソップウェル修道院の記録に空白があります。デ・ワード版(1496年版)も表紙がなく、次のように始まります。「本書は、鷹狩りと狩猟の技法、そしてコートの甲冑の技法について解説しています。また、馬に関する優れた資料も掲載しています。その他の優れた解説も掲載しています。さらに、軍隊の剣術についても解説しています。詳細は後日掲載予定です。」この版は3枚の木版画で飾られており、セント・オールバンズ版には収録されていない「狩猟の技法に関する解説」も含まれています。[ 8 ]

ウィンキン・ド・ワード版(ロンドン、1811年、フォリオ版)の複製版に伝記と書誌情報を掲載して出版したジョセフ・ハスルウッドは、バーナーの著作主張を極めて慎重に検討した。彼は『ボク』の中で、鷹狩りに関する論文の一部と狩猟に関する章を除いて、 バーナーにほとんど著作を与えなかった。

鷹狩り

ホーキングに関する論文は、イングランド王エドワード4世治世下の写本『イングランドのエドワード王にちなんでホーキングの書』(BLハーレー・コレクション2340)から改作されたと考えられている。[ 10 ]この作品は完全な実用書として意図されたものではなく、興味を持つ飼い主のために、専門用語を紹介し、餌や病気について説明することを目的としている。[ 11 ]

この研究は猛禽類の階層構造[ 12 ]と、それぞれの鳥が属すると思われる社会階級を示している。 [ 13 ]

狩猟

特に狩猟に関するエッセイは、セント・オールバンズ近郊のソップウェル修道院の院長であったとされるデイム・ジュリアナ・バーナーズ(あるいはバーンズ、あるいはバーンズ)に帰属する。これは実際には、はるかに古い題材を韻文にしたものであって、イングランド王エドワード2世の治世に遡り、フランス語で書かれたものである。狩猟家ギヨーム・トゥイシの『狩猟術』[ 1 ]である。

この本には、動物名一覧の記事にあるように、「ガチョウの群れ」など、動物に関する特別な集合名詞「集団用語」の膨大なリストが付録として掲載されている。その中には、「メッセンジャーの勤勉さ」「ハーパーの旋律」「ハンターの連射」「軍曹の繊細さ」「女性の群れ」「修道女の過剰」など、様々な職業を表すユーモラスな集合名詞も数多く含まれている。[ 14 ]現代標準英語 にも受け継がれているこうした集合名詞の伝統は、最終的にこの本に遡り、1595年にガーヴェイス・マーカムが著した『紳士の学問』という人気版にまで遡る 。[ 15 ] [ 16 ]

釣り

ウィンキン・ド・ワードの1496年版木版画の複製

1496年版に追加された作品に、釣りに関する「釣り人との釣りの手ほどき」がある。[ 17 ]これは釣りの実践的なアドバイスを集めた初期のもので、アイザック・ウォルトンが参考にした。[ 18 ]ウォルトンの「釣り人大全」の出典として認められているものには、ウィリアム・グリンダル(1596年)とレナード・マスコール(1590年)の作品があり、どちらも「釣り人との釣りの手ほどき」に近い派生作品である。[ 19 ]

紋章学

本書によれば、紳士の美徳は軍事的に有用なものに偏っていた。[ 20 ]本書には紋章法に関する章『紋章の書(Liber Armorum)』が含まれており、[ 21 ]紳士らしさと紋章授与の「門番」という紋章学の慣習との関係に関する当時の議論を報告している。本書は、紋章法は自然法の一部であるという立場をとった。[ 22 ]ジェームズ・ダラウェイは1793年に『イングランドにおける紋章学の起源と発展に関する探究(Inquiries into the Origin and Progress of Heraldry in England) 』の中でこの『紋章の書』を再版した。[ 23 ]

この本は、紳士にはいくつかの種類があり、「血統」の紳士と鎧を着る紳士は異なると提唱している。[ 24 ] JPクーパーは次のように書いている。

ボク貴族階級の分類は、2世紀にわたって紋章学者によって繰り返し用いられ、エリザベス女王の治世下でフェルンレグによって体系化されました。[ 25 ]

彼は、この書における主張の根拠として、ニコラス・アプトンの著作『軍事工房論』と、1450年頃の未発表の紋章学の朗読原稿である「リチャード・ストラングウェイズ・ブック」(BLハーレー・コレクション2259)を挙げている。[ 26 ]この説の根底には、ハムの呪いに関する特異な考えがあり、ヨーロッパ人は「ハム系」であるという説がある。[ 27 ]クーパーは、その根拠はトーマス・ウスク『愛の遺言』であると考えている。ジェイコブは、この書の別の根拠として『コート・アーマーの系譜』を示唆しているが、直接的な関連性は示されていない。[ 28 ]

派生作品

ジャーヴァース・マーカムは、この本を『紳士のアカデミー、あるいはS・オールバンズの書』(1595年、ロンドン、ハンフリー・ロウンズ社刊)として編集した。[ 29 ]その後、1614年に『紳士のための宝石』として再版された。[ 30 ]ジョセフ・ハスルウッドによると、この1614年の再版は、1486年の初版から続くシリーズの最後であった。[ 31 ]

オンライン版

参照

参考文献

  1. ^ a bアーネスト・フレイザー・ジェイコブ (1968). 『後期中世史エッセイ集』 マンチェスター大学出版局 ND. pp.  199– 200. ISBN 978-0-7190-0304-2. 2012年4月18日閲覧
  2. ^ 「セント・オールバンズの書」 . 『ケンブリッジ英米文学史』第2巻:中世の終焉 1907-1921 – Bartleby.comより。
  3. ^バーナーズ、デイム・ジュリアナ(1881) [1486]. 『セント・オールバンズの書』ウィリアム・ブレイズによる序文ロンドン: エリオット・ストック2011年5月27日閲覧
  4. ^原文の綴りはThe Bokys of Haukyng and Huntyng; and also of coot-armuris
  5. ^この9語の表現は、BBCの軽妙な番組「カバの群れがなぜ「膨張」と呼ばれるのか」の中で(おそらく他の場所でも)引用されている。例えば、
    メディナ、ケリー(2018年11月9日)。「カバの群れが「ブロート」と呼ばれる理由」。BBC 2021年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ動物の群れを表す言葉は何百年も前から存在してきたが、15世紀イングランド出身のベネディクト会修道院長ジュリアナ・バーナーズが著した『セント・オールバンズの書』で初めて、それらの言葉が広く記録された。バーナーズが1486年に出版したこの紳士向けの野生生物と狩猟の目録は、『鷹狩り、狩猟、武器の爆破』としても知られ、動物種を表す集合名詞が165個含まれており、彼女は英語で執筆した最初期の女性作家の一人と言われている。
    しかし、この女性の存在を証明する唯一の文書化された証拠は、原版に掲載された「狩猟の本にダム・ジュリアンズ・バーンズが明記されている」という記述だけです。

  6. ^ワールドワイドワード:辞書編集者の精度
  7. ^「セント・オールバンズの書」、チューダー朝カラー印刷展、ケンブリッジ大学図書館、2015年2月14日アクセス
  8. ^ a b cチザム 1911 .
  9. ^バーナーズ、デイム・ジュリアナ (1881) [1486]. 『セント・オールバンズの書』ウィリアム・ブレイズによる序文ロンドン: エリオット・ストック2011年5月27日閲覧
  10. ^オリバー・S・ピカリング、ヴェロニカ・M・オマラ (1999). 『ランベス宮殿図書館所蔵写本(旧シオン・カレッジ図書館所蔵を含む)』 ボイデル&ブリューワー. pp.  22–3 . ISBN 978-0-85991-547-2. 2012年4月19日閲覧
  11. ^チャールズ・E・レイヴン(2010年10月31日)『ネッカムからレイまでのイギリス博物学者:近代世界の形成に関する研究』ケンブリッジ大学出版局、28ページ。ISBN 978-1-108-01634-6. 2012年4月19日閲覧
  12. ^ Keith Dobney、Deborah Jaques、「アングロサクソン時代のイングランドにおけるアイデンティティと地位を示す鳥類のサイン」(2002年) PDF、15ページ。
  13. ^ Juliana Berners , The Boke of Saint Albans 1486,ウィリアム・ブレイズによる序文1881, Elliot Stock, 2015年2月14日閲覧
  14. ^バーナーズ、ジュリアナ、ブレイズ、ウィリアム (1881). 『セント・オールバンズの書』コーネル大学図書館. ロンドン、イースト・ストック. pp.  112– 114.
  15. ^ベルト・ブーツ=シエルツェマ; DJ ヴァン・アルケマード (1980)。言語研究はベルト・シエルツェマに提供されました。ロドピ。 p. 182.ISBN 978-90-6203-731-5. 2012年4月19日閲覧
  16. ^トッド、ロレト、ハンコック、イアン (1986).国際英語用法. 心理学出版. pp.  133– 134. ISBN 0-415-05102-9. 2011年4月4日閲覧
  17. ^モーガン・ジョージ・ワトキンス、「釣りに関する論文」『角度のある釣り』。1496年にイギリスのウェストミンスターでウィンキン・デ・ワードが印刷した釣りに関する最初の本の複製(1880年)viii–ix、 archive.org
  18. ^ダグラス・グレイ(2008年6月15日)『後期中世英語文学』オックスフォード大学出版局、164頁。ISBN 978-0-19-812218-0. 2012年4月19日閲覧
  19. ^ Thomas Westwood「Izaak WaltonとCharles Cottonの『Compleat angler』の年代記。その様々な版と変遷の書誌記録である」(1883年)、4ページ注1、 archive.org
  20. ^マーヴィン・エヴァンス・ジェームズ(1988年11月3日)『社会・政治・文化:初期近代イングランドの研究』ケンブリッジ大学出版局、  310~ 311頁。ISBN 978-0-521-36877-3. 2012年4月19日閲覧
  21. ^アーネスト・フレイザー・ジェイコブ(1968年)『後期中世史エッセイ集』マンチェスター大学出版局、206頁。ISBN 978-0-7190-0304-2. 2012年4月18日閲覧
  22. ^シルヴィア・L・スラップ(1989年5月15日)『中世ロンドンの商人階級、1300-1500年』ミシガン大学出版局、305ページ。ISBN 978-0-472-06072-6. 2012年4月19日閲覧
  23. ^クーパー、46ページ注18。
  24. ^リンダ・クラーク(2005年9月30日)『二十日鼠と人間:中世後期イングランドにおけるイメージ、信仰、そして規制』ボイデル・プレス、9ページ。ISBN 978-1-84383-168-6. 2012年4月19日閲覧
  25. ^ジョン・フィリップス・クーパー(1983年)『土地、人間、そして信仰:近世史研究』所収「ジェンティリティの思想」コンティニュアム・インターナショナル・パブリッシング・グループ、47頁。ISBN 978-0-907628-26-2. 2012年4月19日閲覧
  26. ^ D. ヴァンス・スミス(2003年3月10日)『所有の芸術:中期イングランドの家庭の想像』ミネソタ大学出版局、248ページ注2。ISBN 978-0-8166-3951-9. 2012年4月19日閲覧
  27. ^デイヴィッド・マーク・ウィットフォード(2009年10月21日)『近世におけるハムの呪い:聖書と奴隷制の正当化』アッシュゲート出版、39ページ。ISBN 978-0-7546-6625-7. 2012年4月19日閲覧
  28. ^リー・パターソン(1990年1月11日)『イギリスにおける文学実践と社会変革 1380-1530』カリフォルニア大学出版局、140頁。ISBN 978-0-520-06486-7. 2012年4月19日閲覧
  29. ^ 『英国人名辞典』、著者:C・R・マーカム著、1893年出版。
  30. ^マイケル・ウォルツァー(1982年3月1日)『聖人の革命:急進政治の起源に関する研究』ハーバード大学出版局、  250ページ、52。ISBN 978-0-674-76786-7. 2012年4月19日閲覧
  31. ^ジュリアナ・バーナーズ (1801). 『鷹狩り、狩猟、鎧、漁業、武器のブラス加工に関する論文集:1496年にウィンキン・デ・ワードによってウェストミンスターで印刷されたもの』ハーディング・アンド・ライト社(ホワイト・アンド・コクラン社およびR・トリップフック社)により再版。p. 71. 2012年4月19日閲覧