The Codex Gigas opened to the page with the distinctive portrait of the Devil from which the text received its byname, the Devil's Bible.[1]
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コーデックス・ギガス世界最大の写本に秘められた「悪魔の聖書」の謎

中世の神秘と驚異を今に伝えるコーデックス・ギガス(Codex Gigas)は、その圧倒的なサイズから「巨大な書物」を意味し、世間には「悪魔の聖書」という不気味な別名で知られています。この写本は単なる宗教書ではなく、当時の知識の集大成であり、同時に不気味な伝説を纏った歴史的遺産です。

もともとは現在のチェコ共和国にあるポドラジツェのベネディクト会修道院で13世紀初頭に制作されました。その後、数世紀にわたる波乱の旅を経て、現在はストックホルムのスウェーデン国立図書館に保管され、一般に公開されています。

Key Facts

  • 世界最大の中世写本高さ92cm、重量約74.8kgという規格外のサイズを誇る。
  • 膨大な素材:約160頭分のロバ(または子牛)の皮から作られたヴェラム(羊皮紙)を使用。
  • 多様な内容:ラテン語の聖書(ヴォルガータ版)に加え、百科事典や医学書、歴史書を収録。
  • 悪魔の肖像画:全ページを使い切った衝撃的なサタンの図像が描かれている。
  • 単独執筆の謎:筆跡の一貫性から一人の書記による執筆と考えられているが、完成まで20〜30年を要したと推測される。

圧倒的なスケールと物理的特徴

コーデックス・ギガスの最大の特徴は、その物理的な巨大さにあります。高さ92cm、幅50cm、厚さ22cmというサイズは、当時のロマネスク様式の修道院で制作された大型聖書の中でも群を抜いています。装丁には革で覆われた木製ボードが使われ、装飾的な金属製の金具で補強されています。

内部は310枚のヴェラムで構成されており、その総面積は約142.6平方メートルに及びます。色彩豊かな装飾文字(イニシャル)が随所に配置されており、赤、青、黄、緑、そして金を用いた豪華な彩飾が施されています。特に章の始まりを飾る大文字は、ページのかなりの部分を占めるほど精巧に描かれています。

Illuminated initial at the start of the Wisdom of Solomon

「悪魔の聖書」と呼ばれる理由と象徴的な図像

この写本が「悪魔の聖書」と呼ばれる最大の理由は、290ページ目に描かれた巨大なサタン(悪魔)の全ページ肖像画にあります。この図像は、対面するページに描かれた「天国」の描写と対比されており、キリスト教における「善と悪」の対立を視覚的に表現しています。

描かれた悪魔は、緑色の肌に赤い角と爪を持ち、口からは蛇を連想させる二股の赤い舌が突き出しています。また、腰に巻いた白い布には、権力の象徴とされるアーミン(オコジョ)の毛皮を模した赤い点模様が描かれているのが特徴的です。

Illustration of the Devil on Codex Gigas, early thirteenth century

興味深いことに、この悪魔の図像に至る前の数ページは、羊皮紙が黒ずんでおり、不気味な雰囲気を醸し出しています。これは、後世の閲覧者がこの有名な悪魔のページを繰り返しめくったことで、日光にさらされ変色したためであると考えられています。

The Codex Gigas opened to the page with the distinctive portrait of the Devil from which the text received its byname, the Devil's Bible.[1]

収録内容:中世の知識のアーカイブ

本書は単なる聖書ではなく、当時の学問的な関心を網羅した百科事典的な構成となっています。言語としては主にラテン語で書かれていますが、冒頭にはヘブライ語、初期キリル文字、グラゴル文字のアルファベットが記されています。

主な構成内容は以下の通りです:

  • 聖書:旧約聖書および新約聖書のラテン語訳(ヴォルガータ版)。
  • 歴史書:フラウィウス・ヨセフスの『ユダヤ古史』および『ユダヤ戦史』。
  • 百科事典:セビリアのイシドールによる『語源』。
  • 医学書:コンスタンティヌス・アフリカヌスの著作を含む医学論文集。
  • 地域記録:プラハのコスマスによる『ボヘミア年代記』や、修道院の名簿、カレンダー、魔術的な呪文など。

Opening of the Gospel of Matthew

一晩で書き上げた?語り継がれる伝説と真実

そのあまりの巨大さと詳細さから、ある恐ろしい伝説が生まれました。ある修道士が誓いを破った罰として生きたまま壁に塗り込められることになった際、「一晩で人間のあらゆる知識を網羅した本を書き上げる」と約束して命を救われたという物語です。しかし、時間が足りなくなった彼はルシファー(悪魔)に魂を売り、その助けを借りて完成させたため、感謝の印として悪魔の絵を書き入れたと言い伝えられています。

しかし、現代の科学的な筆跡分析では、この本は確かに一人の書記によって書かれたものの、実際には20年から30年という長い年月をかけて丁寧に制作されたものであることが判明しています。

波乱に満ちた所有の歴史

コーデックス・ギガスは、制作後も激動の歴史を歩みました。ベネディクト会からシトー会へ、そして再びベネディクト会へと渡り、1594年には神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の個人コレクションに加わりました。

転機が訪れたのは1648年、三十年戦争の終結時です。スウェーデン軍がプラハから戦利品としてこの写本を奪い、ストックホルムへと持ち帰りました。その後、1697年にストックホルムのトレ・クローナ城で大火災が発生した際、この貴重な書物は窓から外へ投げ出されることで焼失を免れたというエピソードが残っています。

コーデックス・ギガスの基本仕様まとめ
項目 詳細
サイズ 高さ92cm × 幅50cm × 厚さ22cm
重量 約74.8kg
素材 ヴェラム(ロバまたは子牛の皮)約160頭分
制作時期 13世紀初頭
制作場所 ボヘミア(現チェコ)ポドラジツェ修道院
現在の保管場所 スウェーデン国立図書館(ストックホルム)

Frequently Asked Questions

なぜ「悪魔の聖書」と呼ばれているのですか?

本の中にサタンの巨大な全ページ肖像画が描かれていることと、「修道士が悪魔の助けを借りて一晩で書き上げた」という伝説があるためです。

本当に一晩で書き上げられたのでしょうか?

いいえ。筆跡分析の結果、一人の書記による執筆であることは確かですが、完成までには20年から30年という膨大な時間がかかったと推定されています。

聖書以外にどのような内容が含まれていますか?

ユダヤ人の歴史書、中世の百科事典、医学書、ボヘミアの年代記、さらには修道院の記録や魔術的な呪文などが収録されています。

この本は現在どこで見ることができますか?

スウェーデンのストックホルムにあるスウェーデン国立図書館に保管されており、一般公開されています。

本の素材には何が使われていますか?

ヴェラムと呼ばれる高品質な羊皮紙が使用されており、約160頭分のロバ(あるいは子牛)の皮が使われたと言われています。

References

  1. "Devil's Bible". : . :loc.wdl/wdl.3042.  2021667604. Retrieved 9 October 2024.
  2. "Codex Gigas". . Archived from the original on 12 October 2007. Retrieved 13 February 2016.
  3. , Romanesque Bible Illumination, Ithaca, New York: Cornell University Press, 1982,  
  4. "About the Content". .
  5. "Medical contents". .
  6. ; (2005). The Text of the New Testament: Its Transmission, Corruption and Restoration. New York; Oxford: . p. 103.
  7. "The Treasury Room – Codex Gigas exhibition". .
  8. , p. 15.
  9. "Description of the MS". . 19 June 2007. Retrieved 19 November 2013.
  10. "Decoration". .

📸 フォトギャラリー

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Illustration of the Devil on Codex Gigas, early thirteenth century
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