City of Westminster green plaque for Henry Jermyn, Earl of St Albans (1605–1684), located in Duke of York Street, London SW1
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セントジェームズロンドンの伝統と気品が息づく貴族の街

ロンドンの中心部、ウェストミンスター市内に位置するセントジェームズ(St James's)は、都会の喧騒の中にありながら、英国の伝統的な気品と静寂が漂う特別な地区です。かつては王室の庭園の一部であり、その後、貴族や政治家が集う最高級の住宅地として発展しました。現在は商業的な役割を強めていますが、今なお「英国紳士の文化」を象徴する街並みが色濃く残っています。

主要な事実(Key Facts)

  • 歴史的背景:12世紀のハンセン病療養所(聖ジェームズ・ザ・レスに捧げられたもの)が地名の由来。
  • 貴族の街:17世紀の王政復古後、ヘンリー・ジャーミン(セント・オールバンズ伯爵)により貴族向け住宅地として開発された。
  • クラブランド:伝統的なジェントルマンズクラブが密集していることから、別名「クラブランド」と呼ばれる。
  • 現在の性格:第二次世界大戦後、住宅地から商業地へと移行し、高級店やギャラリーが集まるエリアとなった。
  • 所有権:地区の多くは現在もクラウン・エステート(王室所有地)が所有している。

歴史的変遷と都市開発

セントジェームズの歴史は、中世の療養所にまで遡ります。その後、1660年代にチャールズ2世から開発権を得たヘンリー・ジャーミンによって、セントジェームズ・スクエアを中心とした格子状の街路が整備されました。これにより、ロンドンで最も排他的で豪華な住宅地の一つとして確立されました。

この地区には、セントジェームズ宮殿をはじめ、クラレンスハウスやマルボロハウスなど、王室や貴族にゆかりのある歴史的建造物が数多く点在しています。かつては聖マーティン・イン・ザ・フィールズ教区の一部でしたが、1685年には独立した教区となり、独自のコミュニティを形成しました。

City of Westminster green plaque for Henry Jermyn, Earl of St Albans (1605–1684), located in Duke of York Street, London SW1

「クラブランド」としての文化と経済

19世紀になると、セントジェームズは英国上流社会の社交場であるジェントルマンズクラブの拠点となりました。軍人、政治家、愛好家たちが集うこれらのクラブは、今でもこの街のアイデンティティとなっており、保守党の集会所として知られるカールトン・クラブなどが有名です。

経済面では、世界的なエネルギー企業BPの本社が置かれているほか、伝統的な高級店が軒を連ねています。特にジャーミン・ストリートは高級仕立て屋(テーラリング)の街として世界的に知られ、またベリー・ブラザーズ&ラッドのような老舗ワイン商や、ダヴィドフ、ダンヒルといった高級シガーショップが集結しています。

芸術と現代的な魅力

伝統的な街並みの一方で、現代アートの拠点としての側面も持っています。ホワイトキューブのような世界的なギャラリーが展開しており、伝統的な建築様式の中に前衛的な芸術が共存するユニークな景観を作り出しています。

White Cube gallery in Mason's Yard, St James's
Institute of Contemporary Arts

街の名前に刻まれた歴史

セントジェームズの通りには、かつての地主や歴史的な出来事がそのまま名付けられています。例えば、「ピカデリー」は17世紀の仕立て屋ロバート・ベイカーが、当時流行していた襟飾りのレース(ピカディル)で富を築いたことに由来しています。また、「ザ・モール」や「パル・モール」は、かつて流行した球技「パル・モール」のコースとして整備された道であることに由来します。

セントジェームズの主要エリア・施設まとめ
カテゴリー 代表的な名称・施設 特徴
王室・歴史的建築 セントジェームズ宮殿、クラレンスハウス 王室の居住地および公務の拠点
ショッピング・商業 ジャーミン・ストリート、フォートナム&メイソン 高級仕立て屋や老舗百貨店が集結
文化・芸術 ホワイトキューブ、ポートランド・ギャラリー 現代美術から英国絵画まで幅広い展示
社交 カールトン・クラブ 伝統的なジェントルマンズクラブの象徴

Frequently Asked Questions

セントジェームズという名前の由来は何ですか?

12世紀にこの地に建てられた、聖ジェームズ・ザ・レスに捧げられたハンセン病療養所に由来しています。現在はその跡地にセントジェームズ宮殿が建てられています。

なぜこのエリアは「クラブランド」と呼ばれているのですか?

19世紀頃から、英国の上流階級や政治家、軍人などが集まる会員制のジェントルマンズクラブが数多く設立され、密集していたためです。

ショッピングで有名な通りはどこですか?

高級な紳士服の仕立て屋が集まるジャーミン・ストリートや、豪華なショッピング体験ができるピカデリー周辺が特に有名です。

この地区の所有権はどうなっていますか?

歴史的に王室と深い関わりがあり、現在でも地区の大部分はクラウン・エステート(王室所有地)によって管理されています。

ピカデリーという名前にはどのような意味がありますか?

17世紀にこの地で活動していた仕立て屋のロバート・ベイカーが、当時流行していた「ピカディル」と呼ばれるレースの襟飾りで成功したことに由来しています。

References

  1. "City of Westminster ward population 2011". Neighbourhood Statistics. Office for National Statistics. Retrieved 15 October 2016.
  2. 1 2 Griffin 1998.
  3. 1 2 Roffey 2012, p. 218.
  4. Mills 2001, p. 200.
  5. 1 2 Walford 1878, pp. 140–164.
  6. Sheppard 1960, pp. 29–30.
  7. "Boundary Map of Westminster St James CP/Vest". Visionofbritain.org.uk. Retrieved 29 May 2015.
  8. "St James's Ward Profile: July 2013" (PDF). Westminster.gov.uk. Archived from the original (PDF) on 2 December 2013. Retrieved 29 May 2015.
  9. "Westminster City Council". Westminster.gov.uk. Archived from the original on 3 December 2013. Retrieved 29 May 2015.
  10. "Your councillors". Westminster City Council. Retrieved 11 May 2026.

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