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ナンシー・ウィルソン『Now I'm a Woman』フィリー・ソウルへの転換点となった名盤

ジャズ・ヴォーカルの至宝、ナンシー・ウィルソンが1970年7月に発表したスタジオ・アルバム『Now I'm a Woman』は、彼女の音楽キャリアにおける重要な転換点を象徴する作品です。それまでのジャズ中心のスタイルから、よりR&B色の強いアプローチへと舵を切った本作は、当時の音楽シーンに大きな影響を与えました。

本作の最大の特徴は、後に「フィリー・ソウル(フィラデルフィアで発展した洗練されたソウルミュージック)」として知られるサウンドの先駆者、ケニー・ギャンブルとレオン・ハフのプロデュース陣を起用したことです。彼らが書き下ろした楽曲に加え、トム・ベルやボビー・マーティンといった名編曲家たちが参加し、都会的で華やかなサウンドを構築しました。また、1959年のデビュー以来彼女を支え続けたデヴィッド・キャバノーがエグゼクティブ・プロデューサーを務め、安定感のある制作体制が敷かれました。

Key Facts

批評家による評価と音楽的アプローチ

音楽評論サイトAllMusicのジェイソン・エリアスは、本作をナンシー・ウィルソンの作品群およびフィリー・ソウルの歴史において「重要なアルバム」と位置づけています。特にタイトル曲の完成度や、トム・ベルが手掛けた楽曲「Joe」における感情豊かなパフォーマンスが高く評価されています。

当時のメディアの反応は様々でした。Billboard誌は、彼女のプロ意識の高さと多才さを称賛し、一貫した質の高さを評価しました。一方でStereo Review誌は、前年のヒット作の焼き直しであるとの厳しい見方を示しつつも、B面の「Let's Fall in Love All Over Again」や「Make It with You」といった楽曲については、その魅力的な仕上がりを絶賛しています。

商業的成功と後世への展開

本作は商業的にも成功を収め、Billboardのソウル・アルバム・チャートでは23週間にわたってランクインし、最高5位まで上昇しました。また、総合チャートであるBillboard 200でも最高54位を記録しています。シングル曲の「Now I'm a Woman」もソウル・シングル・チャートで41位に入るなど、幅広い層に受け入れられました。

2013年にはSoulMusic Recordsよりデジタルリマスター版がリリースされました。このCDでは、同じく1970年に発表された『Can't Take My Eyes Off You』と2枚組で収録されており、さらに3曲のボーナストラックが追加され、現代のリスナーにも届けられています。

作品詳細データ

『Now I'm a Woman』基本情報
項目 詳細
収録時間 33分00秒
録音場所 ロサンゼルス
レーベル Capitol
主要スタッフ ボビー・マーティン、トム・ベル、レニー・パクラ(編曲)

トラックリスト

  1. Side 1
    • Now I'm a Woman
    • Joe
    • (They Long to Be) Close to You
    • The Long and Winding Road
    • Bridge over Troubled Water
  2. Side 2
    • Let's Fall in Love All Over
    • Lonely, Lonely
    • How Many Broken Wings
    • The Real Me
    • Make It with You

Frequently Asked Questions

このアルバムの音楽的な位置づけは何ですか?

ナンシー・ウィルソンが従来のジャズ・スタイルから、1970年代を通じて追求することになるR&B・ソウル路線へと移行した重要な転換点となる作品です。

「フィリー・ソウル」とはどのようなサウンドですか?

フィラデルフィアを拠点とするケニー・ギャンブルやレオン・ハフらが確立したスタイルで、洗練されたオーケストレーションと心地よいリズムが融合した都会的なソウルミュージックを指します。

チャートではどのような成績を収めましたか?

Billboardのソウル・アルバム・チャートで最高5位を記録し、23週間にわたってチャートインしました。また、Billboard 200では最高54位まで上昇しています。

リマスター版にはどのような特典がありますか?

2013年にリリースされたリマスター版CDでは、『Can't Take My Eyes Off You』との2枚組セットになっており、3曲のボーナストラックが収録されています。

制作に参加した主要な人物は誰ですか?

プロデューサーにケニー・ギャンブルとレオン・ハフ、編曲にトム・ベルやボビー・マーティン、そしてエグゼクティブ・プロデューサーにデヴィッド・キャバノーが参加しています。

References

  1. 1 2 3 Elias, Jason. Now I'm a Woman at
  2. Larkin, Colin (2004). "Nancy Wilson". (Rev Upd ed.). Virgin Books. p. 941.  .
  3. "Billboard Album Reviews" (PDF). Billboard. November 21, 1970. Retrieved December 5, 2018.
  4. "Entertainment" (PDF). Stereo Review. April 1971. Retrieved December 5, 2018.
  5. "Nancy Wilson Now I'm a Woman Chart History". Billboard. Retrieved December 5, 2018.
  6. "Nancy Wilson Now I'm a Woman Chart History". Billboard. Retrieved December 5, 2018.
  7. "Nancy Wilson Now I'm a Woman Chart History". Billboard. Retrieved December 5, 2018.
  8. . "NANCY WILSON: CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU/NOW I'M A WOMAN EXPANDED EDITION (SMCR-25087)". Retrieved December 4, 2018.