Three different international-standard two-hole punches
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パンチ(穴あけパンチ)の仕組みと世界的な規格・種類を徹底解説

オフィスや学校で日常的に使用されているパンチ穴あけパンチは、紙に穴を開けてバインダーやフォルダに綴じるための不可欠な文房具です。単に紙に穴を開けるだけでなく、素材によっては皮革やプラスチック、金属板に使用されるツールも存在します。本記事では、このシンプルな道具の内部メカニズムから、世界各地で異なる穴あけ規格までを詳しく解説します。

パンチの基本構造と動作原理

パンチの基本構成は、ハンドル、パンチヘッド(突き出し棒)、そしてダイ(受け皿)の3つの主要パーツで成り立っています。パンチヘッドは通常、先端が平らな円筒形で、固定されたダイにある穴と正確に一致するように設計されています。紙をこのヘッドとダイの間に挟み、ハンドルを操作することで、ヘッドが紙を貫通し、円形の切り抜き(チャド)をダイの底へ押し出します。

Mechanism of a typical hole punch

この際、ハンドルは「てこ」の原理を利用しており、少ない力で硬い金属を押し込めるようになっています。少量の紙をあける小型パンチではハンドル長は8cm程度で十分ですが、数百枚を一度に処理する大型モデルでは、より長いレバーアームが採用されています。

また、大量の紙を効率的に処理するために、パンチヘッド自体が中空のチューブ状になっており、切り抜いた紙片を上方に押し出す設計のものもあります。さらに大量の穴あけが必要な産業用途では、パンチではなく専用のドリルが使用されることもあります。

多様なパンチの種類と用途

シングルパンチ(単穴パンチ)

一度の操作で1つの穴を開けるタイプで、位置指定のガイドがないものが一般的です。チケットの使用済み印としての穴あけや、カジノでのトランプの無効化、イギリスの公務員が使用するトレジャリータグでの綴じ込みなどに利用されます。また、クラフト用のコンフェッティ(紙吹雪)作りにも活用されています。

Common handheld single-hole punch

特殊なパンチツール

単なる穴あけだけでなく、金属製のループを同時に圧着させるアイレットパンチは、数枚の紙を半永久的に固定する際に用いられます。同様の仕組みを持つツールは、畜産業において家畜の耳標(イヤータグ)を装着するためにも使用されています。

Eyelet punch press

かつては、テレタイプや初期のコンピュータで使用されていたパンチテープの修正用パンチも存在しました。誤った文字を消去するために、ASCIIコードの「DELETE」文字(すべての穴が開いた状態)を再現して穴を追加するなどの作業が行われていました。

マルチパンチ(多穴パンチ)

複数の穴を一定のパターンで同時に開けるツールで、主にリングバインダーへの綴じ込みに使用されます。紙の端からの距離(マージン)を調整するガイドや、上下の位置を合わせるガイドが備わっています。また、パンチヘッド自体をレールに沿ってスライドさせ、固定ネジで位置を調整できるモデルもあり、不要な穴を「オフ」にできる設計のものも存在します。

Three different international-standard two-hole punches
Two-hole filebinder hole punch

綴じ方の種類によってもパンチは異なります。コイルバインディングやコムバインディング(プラスチック製の櫛状の背表紙)用には、専用の長方形の穴を開けるパンチが使用されます。また、ディスクバウンドノートのような特殊な形状の穴を開けるツールも開発されています。

Commonly used hole patterns for hole punches and ring binders[8]

世界的な穴あけ規格の比較

穴の位置や数は国や地域によって標準化されており、互換性を保つために厳格な規格が設けられています。

国際規格(ISO)と欧州

世界的に普及しているISO 838規格では、2つの穴の間隔を80mm(±0.5mm)、端からの距離を12mm(±1mm)、穴径を6mm(±0.5mm)と定めています。この規格を拡張した「888システム」と呼ばれる4穴規格もあり、これはISO 838の2穴に加えて、外側にさらに80mm間隔で2つの穴を追加したものです。これにより、4穴バインダーでの安定性を高めつつ、2穴バインダーへの対応も可能にしています。

ISO 838 template

北米規格(ANSI等)

米国ではISO規格ではなく、慣習的なデファクトスタンダードが採用されています。レターサイズ(220×280mm)では、中心間隔108mmの3穴システムが一般的です。また、リーガルサイズ(220×360mm)では、より長い紙を支えるために中心間隔89mmの4穴システムが利用されています。

その他の地域的規格

  • スウェーデン(Triohålning): 1890年に特許取得した「Trioバインダー」に基づく4穴規格。独自のピン構造により、バインダーを完全に閉じなくてもページをめくりやすい設計が特徴です。
  • オランダ(23リングシステム): 12.7mm間隔で23個の穴を開けるシステム。かつての米国特許に基づいた半インチ間隔が採用されており、「Multomap」という名称で親しまれています。
Triohålning punch and punched paper
Dutch "Multo" 23-ring binder showing rings closed and open

Key Facts

  • 基本原理: ハンドルによる「てこ」の原理で、パンチヘッドがダイ(受け皿)に紙を押し切ることで穴を開ける。
  • チャド: パンチで切り抜かれた小さな紙片のことを指す。
  • ISO 838: 国際的な2穴規格で、穴の間隔は80mm。
  • 地域差: 米国は3穴、スウェーデンは独自の4穴(Trio)、オランダは23穴が一般的。
  • 歴史: 1886年にドイツのフリードリヒ・ゾネッケンが多穴パンチの特許を申請したのが始まりとされる。

主要規格まとめ

世界的な穴あけ規格の比較
規格名/地域 穴の数 主な特徴・間隔 主な用途
ISO 838 2穴 間隔 80mm / 径 6mm 国際標準バインダー
888システム 4穴 80mm間隔 × 3箇所 欧州向け高安定バインダー
米国レター 3穴 間隔 108mm 北米標準バインダー
Triohålning 4穴 21mm-70mm-21mm間隔 スウェーデン標準
Multomap 23穴 間隔 12.7mm (0.5インチ) オランダ標準

Frequently Asked Questions

パンチで切り抜かれた小さな紙の破片は何と呼ばれますか?

これらの切り抜きは「チャド(chad)」と呼ばれます。

ISO 838規格のパンチで4つの穴を開けることはできますか?

はい、「888システム」に対応したパンチであれば可能です。これはISO 838の標準2穴に、外側へ80mm離れた位置にさらに2つの穴を追加する形式です。

なぜ国によって穴の数や位置が異なるのですか?

歴史的に、各国のメーカーが独自のバインダーシステムを開発し、それが慣習として定着したためです。例えば、スウェーデンのTrioシステムやオランダのMultomapなどは、特定のバインダー設計に合わせて最適化されています。

大量の紙に穴を開ける際にパンチ以外の方法はあるのでしょうか?

非常に大量の紙を一度に処理する場合や、極めて高い精度が求められる場合は、パンチではなく「ペーパードリル」という専用の穿孔機が使用されます。

アイレットパンチと普通のパンチの違いは何ですか?

普通のパンチは単に穴を開けるだけですが、アイレットパンチは穴を開けた後に金属製のリング(アイレット)を圧着させ、紙を強固に固定する機能を持っています。

References

  1. Xaver Frühbeis (14 November 2000), Renate von Walter (ed.), Geburtstag des Lochers [Birthday of the Punch] () (in German), Bayerischer Rundfunk, archived from the original (RTF) on 2004-09-02
  2. "Soennecken", Poppelsdorfer Heimatsammlung Stöcker, Photographs by Helmut Uessem, 2001-04-23, archived from the original on 2011-07-19, retrieved 2008-02-14{{}}: CS1 maint: others ()
  3. 131st Anniversary of the Hole Puncher, Drawing by Gerben Steenks, 14 November 2017, archived from the original on 2021-08-20, retrieved 14 November 2017{{}}: CS1 maint: others ()
  4. Clark Mindock (13 November 2017), "Hole punch history: How the world became more organised in a single thadumph", The Independent, archived from the original on 2020-04-21, retrieved 2021-12-22
  5. Markus Kuhn (2018-07-13), International standard paper sizes, archived from the original on 2021-12-05, retrieved 2019-08-08, Not specified in ISO 838, but also widely used, is an upwards compatible 4-hole system. Its two middle holes correspond to ISO 838, plus there are two additional holes located 80 mm above and below these to provide for more stability. This way, sheets with four punched holes can also be filed in ISO 838 2-hole binders. This system is also known under the nickname "888", presumably because the three gaps between the holes are all 8 cm wide.
  6. PK-520 Punch Kit Installation Manual, Konica Minolta, p. E-4, A3ET-9550-01
  7. SS 62 81 02: Dokumentförvaring – Fästhål för dokument [SS 62 81 02: Document Retention – Holes for Filing Purposes] (in Swedish), Svenska institutet för standarder [Swedish Institute for Standards], 2006-06-06, retrieved 2020-08-07
  8. "Appleton Standard Layout" (PDF). Archived from the original (PDF) on 2013-11-26. Retrieved 2013-02-12.

📸 フォトギャラリー

Three different international-standard two-hole punches
Mechanism of a typical hole punch
Common handheld single-hole punch
Eyelet punch press
ISO 838 template
Two-hole filebinder hole punch
Triohålning punch and punched paper
Dutch "Multo" 23-ring binder showing rings closed and open
Commonly used hole patterns for hole punches and ring binders[8]