Martin Boehm
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ユナイテッド・ブレthren教会アメリカ誕生の福音主義教派とその歴史

ユナイテッド・ブレthren教会(Church of the United Brethren in Christ)は、世界17カ国に展開する福音主義プロテスタント教派です。この教会の最大の特徴は、ヨーロッパから持ち込まれたのではなく、アメリカ合衆国の地で自発的に組織された最初の教派であるという点にあります。ウェスリアン・アルミニウス主義(人間の自由意思による信仰の選択を強調する神学)とピエティズム(個人の敬虔な信仰生活を重視する運動)を基盤とし、エピスコパル制(監督制)の組織構造を採用しています。

主要な事実(Key Facts)

  • 設立年: 1800年(ルーツは1767年に遡る)
  • 創設者: マーティン・ベームとフィリップ・ウィリアム・オッターベイン
  • 神学的背景: ウェスリアン・アルミニウス主義、ピエティズム
  • 現在の規模: 世界に約600の会衆、約47,300人の会員(2025年時点)
  • 拠点: アメリカ合衆国インディアナ州ハンティントン
  • 教育機関: ハンティントン大学を運営

教会の起源と精神的な誕生

この教会の精神的な始まりは、1767年にペンシルベニア州ランカスターで開かれた「大集会」にあります。これは、当時のアメリカを席巻していた「第一次大覚醒」という宗教復興運動の一環でした。そこで、メノナイトの説教者であったマーティン・ベームと、ドイツ改革派の牧師フィリップ・ウィリアム・オッターベインが出会いました。二人は互いの信仰を認め合い、「私たちは兄弟である(Wir sind Brüder)」と抱擁し合ったことが、後の教派形成の決定的な瞬間となりました。

Martin Boehm

その後、彼らの周囲にドイツ語圏の信者が集まり、緩やかな運動としてペンシルベニア、バージニア、メリーランド、オハイオへと広がりました。1800年、メリーランド州フレデリックでの会議を経て、正式に「ユナイテッド・ブレthren教会」として組織され、70代であったベームとオッターベインが初代監督に選出されました。

Philip William Otterbein

歴史的な分裂と「旧憲法」派の継承

1889年、教会は深刻な内部対立に見舞われました。論点は、秘密結社(フリーメイソンなど)への加入許可や、憲法改正の手続き、代表者の選出方法といった組織運営に関するものでした。多数派は手続きを簡略化して改革を進めようとしましたが、少数派の保守層は、憲法に定められた「全会員の3分の2の賛成」という厳格なルールを無視したとして反発しました。

この保守派を率いたのが、後に航空機を発明するライト兄弟の父、ミルトン・ライト監督でした。この分裂により、教会は「新憲法派(リベラル)」と「旧憲法派(ラジカル)」に分かれました。新憲法派は後に他の教派と合併し、現在の「連合メソジスト教会(UMC)」へと統合されていきましたが、ミルトン・ライトらが率いた旧憲法派は、独自のアイデンティティを維持し続けました。現在のユナイテッド・ブレthren教会は、この旧憲法派の流れを汲む組織です。

The official logo of the Church of the United Brethren in Christ, International

現代の組織構造とグローバル展開

現在の教会は、国際的な法規制への対応から、国ごとに自律的な「ナショナル・カンファレンス(国家会議)」を設ける形態をとっています。これらが緩やかに連携し、「ユナイテッド・ブレthren教会・インターナショナル」という相互依存的な体を構成しています。1815年に採択された信仰告白と、2001年に定められた7つのコアバリュー(核心的価値観)を共有しています。

アメリカ国内では、2005年に大規模な組織再編が行われました。従来の地理的な「年次会議」を廃止し、5〜10の教会で構成される「クラスター」という小グループ制を導入しました。これにより、指導者間の相互責任とサポート体制を強化し、同時に教会の運営費(パートナーシップ料)を大幅に削減して、より多くの資金を地域教会に還元する仕組みを構築しました。

The United Brethren National Office in Huntington, Indiana, in 1998

教育と社会への貢献

教会は教育を重視しており、歴史的に34の大学やセミナーを設立しました。現在はインディアナ州のハンティントン大学が唯一の直営校として運営されています。また、1821年には奴隷制度に強く反対し、1837年以降は奴隷所有者の会員資格を認めないという、当時としては非常に先鋭的な人権的立場を明確にしていました。

ユナイテッド・ブレthren教会の概要まとめ
項目 詳細内容
神学的な方向性 福音主義、ウェスリアン・アルミニウス主義
組織形態 エピスコパル制(監督制)
主要拠点 アメリカ合衆国インディアナ州ハンティントン
主要教育機関 ハンティントン大学
国際展開 10のナショナル・カンファレンスと複数のミッション地区

著名な関係者

この教派からは、宗教界のみならず、社会的に影響力のある人物が数多く輩出されています。航空機のパイオニアであるウィルバー・ライトオーヴィル・ライトの兄弟は、監督ミルトン・ライトの息子であり、教会の精神的背景を持っていました。また、アメリカ国歌『星条旗』の作詞者であるフランシス・スコット・キーも、この教会の主日学校教師を務めていたことが知られています。

Frequently Asked Questions

ユナイテッド・ブレthren教会は他の教派と何が違うのですか?

最大の特徴は、ヨーロッパの教派を移植したのではなく、1800年にアメリカ国内で独自に組織された最初の教派である点です。また、メノナイトとドイツ改革派の要素を併せ持ちつつ、メソジストに近いウェスリアン神学を採用している点もユニークです。

1889年の分裂後、どのような経緯で現在の形になったのですか?

分裂後の多数派(新憲法派)は、1946年に福音教会と合併して福音ユナイテッド・ブレthren教会となり、さらに1968年にメソジスト教会と合併して現在の連合メソジスト教会(UMC)となりました。一方、少数派(旧憲法派)が独自の伝統を守り、現在のユナイテッド・ブレthren教会として存続しています。

現在の教会の規模と活動範囲は?

世界17カ国に展開しており、約600の会衆と約47,300人の会員を擁しています。アメリカ国内ではペンシルベニア、オハイオ、インディアナ、ミシガン州に多く分布しており、国際的には中南米、アジア、アフリカなどで活動しています。

ハンティントン大学とはどのような関係ですか?

ハンティントン大学は、ユナイテッド・ブレthren教会(アメリカ)が所有・運営する高等教育機関です。1897年にセントラル・カレッジとして設立され、教会の教育的使命を担う中心的な役割を果たしています。

References

  1. "Church of the United Brethren | About". Retrieved 2025-01-20.
  2. "International UB Church". Retrieved 2025-01-20.
  3. "Church of the United Brethren | Links". Retrieved 2025-01-20.
  4. Daniel Berger, History of the Church of the United Brethren in Christ. United Brethren Publishing House, 1910, p. 663.
  5. "Brethren in Christ Church — GAMEO". Archived from the original on 2013-04-09. Retrieved 2013-02-09.
  6. "Our History". Association of Evangelical Churches. Archived from the original on April 25, 2015. Retrieved September 25, 2013.
  7. "Guatemala". UB Global.
  8. "2008 Yearbook of American & Canadian Churches". The National Council of Churches. Retrieved 2009-12-07.

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The United Brethren National Office in Huntington, Indiana, in 1998