Roger Protz at the Great British Beer Festival 2006
← ホームへ戻る

ロジャー・プロッツビール文化の保存に捧げたジャーナリストの生涯

英国のビール文化を語る上で欠かせない人物の一人が、作家でありジャーナリストのロジャー・プロッツ氏です。彼は単なる書き手にとどまらず、伝統的なビール造りの保護と普及に人生を捧げたキャンペーン活動家としても知られています。特に、英国のビール愛好家のバイブルとも言えるガイドブックの編集を通じて、多くの人々に本物のビールの価値を伝えました。

Key Facts

  • CAMRA(リアルエールキャンペーン)に1976年に入会し、活動に従事。
  • 権威ある『Good Beer Guide』の編集者を2つの異なる期間(1978-1983年、2000-2018年)で務めた。
  • 1988年に「英国ビールライター協会(British Guild of Beer Writers)」を設立。
  • ビールに関する百科事典やガイドブックなど、多数の専門書を執筆。
  • 政治的なジャーナリズムから始まり、後にビール専門のライターへと転身した稀有な経歴を持つ。

政治ジャーナリズムからビールへの転身

1939年にロンドンのデプトフォードで労働者階級の家庭に生まれたプロッツ氏は、幼少期に第二次世界大戦の空襲(ザ・ブリッツ)を避け、母と共にノーフォークへ疎開した経験を持ちます。16歳で学校を卒業後、彼のキャリアは政治的な情熱と共に始まりました。

1960年代、彼は労働党青年社会主義者や社会主義労働連盟などの政治団体で活動し、『New Advance』や『Keep Left』、『Militant』、そして『Socialist Worker』といった政治的な新聞の編集者を歴任しました。その後、ロンドン・カレッジ・オブ・プリンティングでジャーナリズムの非常勤講師を務めましたが、国家的な経済危機の影響で職を失うという転機を迎えます。

この転機が、彼をビールという新たな情熱へと導きました。1976年にCAMRA(伝統的な醸造法によるビールを支持する団体)に加入し、同団体の月刊誌の編集者に任命されたことで、彼のビールライターとしての道が本格的に始まりました。

Roger Protz at the Great British Beer Festival 2006

ビール界への多大な貢献と専門的な活動

プロッツ氏の最大の功績の一つは、CAMRAが発行する『Good Beer Guide』の編集です。1978年から1983年まで、そして再び2000年から2018年までという長期にわたり編集責任者を務め、英国における良質なビールの指標を確立しました。

また、彼は個人の執筆活動にも非常に精力的でした。『ガーディアン』紙でのコラム執筆(2006年まで)や、『Publican's Morning Advertiser』、『What's Brewing』などの専門誌への寄稿を通じて、ビール文化の普及に努めました。その専門性は国際的にも認められ、2007年には米国ワシントンD.C.のスミソニアン協会でビールの歴史について講義を行うなど、世界的な権威として活動しました。

主な著書と研究

彼は、単なるガイドブックだけでなく、ビールの歴史や種類を深く掘り下げた書籍を数多く出版しています。世界中のビールを網羅したガイドから、スタウトやポーターといった特定のスタイルに特化した専門書まで、その幅は多岐にわたります。

ロジャー・プロッツ氏の代表的な著作一覧
出版年 書籍タイトル(日本語訳) 内容の傾向
1995年 ビールの究極百科事典 包括的なビール知識の集大成
1997年 クラシック・スタウト&ポーター 黒ビール系の伝統的なスタイルを解説
2000年 英国のベストパブ500選 英国国内の優れたパブの紹介
2004年 世界ビール完全ガイド グローバルな視点からのビール紹介
2005/2013年 死ぬまでに試すべき300種類のビール(および続編) 推奨ビールのキュレーション
2020年 英国の家族醸造家たち 英国の醸造遺産の称賛と記録

Frequently Asked Questions

ロジャー・プロッツ氏はどのような人物ですか?

英国の著名なビールライターであり、ジャーナリストです。CAMRAの『Good Beer Guide』の元編集者であり、英国ビールライター協会の創設者としても知られています。

CAMRAとはどのような組織ですか?

Campaign for Real Aleの略で、伝統的な手法で醸造され、パブで適切に管理された「リアルエール」の保護と普及を目的とした英国の団体です。

彼はどのような経歴を歩みましたか?

初期のキャリアでは社会主義的な政治新聞の編集者として活動し、その後ジャーナリズムの講師を経て、1976年以降にビール専門のライターへと転身しました。

『Good Beer Guide』の編集にはどのくらいの期間携わりましたか?

1978年から1983年まで、そして2000年から2018年までの2回にわたって編集を務めました。

彼が設立した協会は何ですか?

1988年に「英国ビールライター協会(British Guild of Beer Writers)」を設立し、2000年から2003年まで同協会の会長を務めました。

References

  1. Roger Protz: A Life Through Beer, The Food Programme, BBC Radio 4
  2. "Boss of Good Beer Guide retires age 78 – but his crusade continues". . 9 September 2017.
  3. Mellows, Phil (21 September 2010). "Roger Protz: beer and the brickbats". . Retrieved 14 August 2016.
  4. "Gerry Healy – Chapter 6". whatnextjournal.co.uk. Archived from the original on 20 September 2010. Retrieved 17 March 2010.
  5. "The RSL (Militant) in the 1960s – a study in passivity". archive.workersliberty.org. Retrieved 17 March 2010.
  6. http://www.marxists.org/history/etol/critiques/locust/app04.htm Letter to IS Branches from National Secretary, 10 April 1974 in Jim Higgins, More Years for the Locust.