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国立デンマーク博物館1万4千年の歴史を刻む文化の殿堂

デンマークの首都コペンハーゲン中心部に位置する国立デンマーク博物館(Nationalmuseet)は、同国最大規模を誇る文化歴史博物館です。ショッピング街ストロイエからほど近い場所にあり、デンマーク国内のみならず、グリーンランドから南米に至るまで、世界各地の多様な文化遺産を収蔵しています。

この博物館は単なる展示施設ではなく、考古学、民族学、貨幣学、自然科学、そして文化財の保存修復といった幅広い分野における国家的な研究拠点としての役割を担っています。また、デンマークの教会に関連する古建築の管理や、国内で発見された貴重な埋蔵文化財である「ダネフェ(Danefæ)」の取り扱いなど、重要な公的任務を遂行しています。

Key Facts

  • 設立:1807年5月22日
  • 所在地:デンマーク、コペンハーゲン(Ny Vestergade 10)
  • 規模:氷河期の狩猟民から現代まで、約1万4千年の歴史を網羅
  • 主要コレクション:バイキング時代の遺物、古代ギリシャ・ローマの貨幣、カリブ海地域の先コロンブス期遺物など
  • 研究活動:グリーンランド研究センター「SILA」を運営し、北極圏の考古学・人類学を推進

時代と地域を越える壮大な展示内容

デンマークの歩みとアイデンティティ

展示の核心となるのは、氷河時代のトナカイ狩猟民から始まり、中世のキリスト教美術、そして現代に至るまでのデンマークの変遷です。特に1560年から2000年までの期間に焦点を当て、当時の人々の日常生活や国家の形成過程、特別な行事などを通じて、「デンマーク人とは何か」という問いにアプローチしています。2008年には先史時代のセクションが大規模なリニューアルを経て再オープンしました。

世界的な至宝と国際的なコレクション

国内遺物のみならず、古代エジプト、近東、ギリシャ、イタリアの古代文化に関するコレクションは、デンマーク最大かつ最も多様な内容を誇ります。例えば、1957年にイラクのテル・シェムシャラで行われた発掘調査で得られた貴重な品々が展示されています。

また、ヨーロッパ最大級の先コロンブス期カリブ海遺物コレクション(ハット・コレクション)を保有しています。地理学者であり考古学者のグドムンド・ハットが1919年から1947年にかけて収集したもので、石斧から陶器の破片まで、約7,800件のカタログ番号に及ぶ膨大な資料が保管されています。

バイキング文化の継承

2013年には、マルグレーテ2世女王によって開館された大規模なバイキング展が注目を集めました。この展示は非常に高い評価を受け、ロンドンの大英博物館など海外の主要美術館を巡回し、世界にバイキングの歴史を伝えました。

歴史的価値を持つ主要な収蔵品

博物館には、デンマークの歴史を象徴する数々の至宝が揃っています。中には、盗難や破壊という悲劇に見舞われたものの、精巧な複製によってその価値を伝え続けているものもあります。

国立デンマーク博物館の主要展示品一覧
名称 特徴・時代
ガレフスの黄金の角 4世紀頃。オリジナルは1802年に盗難・溶解したため、現在は複製を展示
グンデストルップの大釜 紀元前1世紀。精巧な装飾が施された青銅製の器
トルンドホルムの太陽車 北欧青銅器時代後期の重要な象徴的遺物
エグトヴェドの少女の棺 北欧青銅器時代後期の埋葬遺構
ヒョルトスプリング船 古代の造船技術を示す貴重な船体遺構
セイキロスの墓碑銘 現存する最古の完全な音楽作品の一つ

文化財の返還と倫理的取り組み

近年、博物館は文化財の返還(レパトリエーション)という重要な倫理的課題に取り組んでいます。2024年には、1689年にブラジルから持ち込まれた17世紀の聖なる羽毛のクロークを、元の所有者であるトゥピナンバ族のもとへ返還し、リオデジャネイロ国立博物館に寄託しました。

Frequently Asked Questions

国立デンマーク博物館ではどのような時代まで展示されていますか?

氷河時代のトナカイ狩猟民から始まり、バイキング時代、中世、そして2000年までの現代に至るまで、約1万4千年にわたるデンマークの歴史を網羅しています。

バイキング以外の展示は見られますか?

はい。古代エジプトや近東、ギリシャ・ローマの文化財に加え、カリブ海地域の先コロンブス期遺物など、世界各地の文化歴史コレクションが充実しています。

「ガレフスの黄金の角」のオリジナルは見られますか?

いいえ。オリジナルは1802年に盗まれ、その後溶かされてしまったため、現在は精巧に作られた複製が展示されています。

グリーンランドに関する研究は行っていますか?

はい。博物館は「SILA(国立デンマーク博物館 グリーンランド研究センター)」を運営しており、グリーンランドにおける考古学および人類学的な研究を積極的に推進しています。

博物館の運営主体はどこですか?

デンマーク国家が所有・運営しています。

References

  1. "Nationalmuseets historie / Oldsagskommissionen" (in Danish). Archived from the original on 15 April 2021. Retrieved 21 September 2020.
  2. "Nationalmuseets besøsgtal" (in Danish). Archived from the original on 12 August 2020. Retrieved 21 September 2020.
  3. "About SILA". Archived from the original on January 14, 2009. Retrieved September 17, 2008.
  4. Mortensen, Peder (1970), Tell Shimshara. The Hassuna period, Historisk-Filosofiske Skrifter, vol. 5, 2, Copenhagen: Kongelige Danske videnskabernes selskab, p. 14,  562453801
  5. Kennedy, Maev (19 June 2013). "Biggest Viking exhibition in 20 years opens – and this time they're angry". The Guardian. London. Archived from the original on 28 March 2017. Retrieved 17 December 2016.
  6. Rogero, Tiago (12 September 2024). "'A beacon of hope': Indigenous people reunited with sacred cloak in Brazil". The Guardian. Retrieved 12 September 2024.
  7. Om Nationalmuseets Arbejdsmark Archived 2015-03-29 at the ; jelling.natmus.dk