These glasses containing red dye demonstrate qualitative changes in concentration. The solutions on the left are more dilute, compared to the more concentrated solutions on the right.
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濃度(化学)の定義と計算方法種類別の違いと関連指標を解説

化学の世界において、濃度とは混合物全体の体積に対して、ある特定の成分がどれだけ含まれているかを示す指標です。一般的には、液体に物質が溶け込んだ「溶液」における溶質と溶媒の比率を指すことが多いですが、あらゆる化学的混合物に適用される概念です。

濃度を操作する場合、溶媒を加えて濃度を下げることを「希釈(きしゃく)」と呼び、逆に溶質を増やすか溶媒を減らして濃度を高めることを「濃縮(のうしゅく)」と呼びます。

Key Facts

  • 濃度は、成分の量(質量、モル数、個数、体積)を全体の体積で割ることで算出される。
  • 代表的な指標には、質量濃度、モル濃度、数濃度、体積濃度がある。
  • 溶質が限界まで溶け込んだ状態を「飽和」と呼び、それを超えると相分離や懸濁液が生じる。
  • 温度変化による体積変動(熱膨張)は、濃度値に影響を与える。
  • モル分率や質量分率などは「濃度」と混同されやすいが、厳密には組成を示す別の指標である。

濃度の定性的表現と飽和の状態

専門的な数値を用いない日常的な表現では、濃度が低いものを「希薄(薄い)」、高いものを「濃厚(濃い)」と呼びます。また、医療分野などで血清中の成分量を示す際に「レベル(値)」という言葉が使われることもありますが、これも実質的に濃度を指しています。

物質が溶媒に溶ける量には限界があり、これ以上溶質が溶け込まない状態を飽和(ほうわ)と呼びます。飽和状態の溶液にさらに溶質を加えると、通常は溶けずに分離しますが、特定の条件下では「過飽和」という不安定な状態になることもあります。飽和点は、溶質と溶媒の化学的性質や、周囲の温度によって変動します。

These glasses containing red dye demonstrate qualitative changes in concentration. The solutions on the left are more dilute, compared to the more concentrated solutions on the right.

濃度の数学的定義と4つの主要指標

化学的な濃度は、何を基準に測定するかによって以下の4つの形式に分類されます。

1. 質量濃度 (Mass Concentration)

成分の質量(m)を混合物の体積(V)で割ったものです。SI単位は kg/m³(g/Lと同等)で表されます。

2. モル濃度 (Molar Concentration)

成分の物質量(n:モル数)を混合物の体積(V)で割ったものです。SI単位は mol/m³ ですが、一般的には mol/L(M)が広く使われています。

3. 数濃度 (Number Concentration)

混合物中に存在する成分の個数(N)を体積(V)で割ったものです。SI単位は 1/m³ となります。

4. 体積濃度 (Volume Concentration)

成分自体の体積(Vi)を混合物全体の体積(V)で割ったものです。単位のない無次元量であり、数値やパーセンテージ(%)で表記されます。

濃度と混同しやすい関連指標

混合物の組成を表す指標の中には、厳密には「濃度」とは呼ばない計算方法が存在します。これらは分母に体積ではなく、質量や全物質量を用いる点が特徴です。

  • モル分率・質量分率: 全体の物質量(または質量)に対する、ある成分の割合を示す指標です。
  • モル比・質量比: ある成分の量を、それ以外の全成分の合計量で割った比率です。
  • 質量モル濃度 (Molality): 溶媒の質量(溶液全体の質量ではない)あたりの物質量を示す指標で、単位は mol/kg です。
  • 規定度 (Normality): モル濃度を当量係数で割ったものですが、文脈によって定義が変わるため、IUPACなどの国際機関は使用を推奨していません。

濃度指標のまとめ

以下に、主要な濃度指標と関連する組成指標の定義をまとめます。

濃度および関連指標の一覧
指標名 記号 定義 SI単位 その他の単位
質量濃度 ρi 質量 / 体積 kg/m³ g/dL
モル濃度 ci 物質量 / 体積 mol/m³ mol/L (M)
数濃度 Ci 個数 / 体積 1/m³ 1/cm³
体積濃度 σi 成分体積 / 全体体積 m³/m³ %
質量モル濃度 bi 物質量 / 溶媒質量 mol/kg m
モル分率 xi 成分物質量 / 全物質量 mol/mol ppm, ppb
質量分率 wi 成分質量 / 全質量 kg/kg ppm, ppb

Frequently Asked Questions

濃度と分率(分率)の違いは何ですか?

濃度は一般的に「体積あたりの量」を指しますが、分率は「全体量に対するある成分の割合」を指します。分率は単位が打ち消し合うため無次元量となります。

温度が変わると濃度はどうなりますか?

液体は温度によって体積が変化する(熱膨張する)ため、分母となる体積が変わります。その結果、物質量が変わらなくてもモル濃度などの値は変動します。

飽和溶液」とはどのような状態ですか?

ある温度において、溶媒に溶けることができる溶質の最大量が溶け込んでいる状態です。これ以上溶質を加えても、基本的には溶けずに沈殿します。

規定度(Normality)が推奨されない理由は何ですか?

規定度は反応の種類(当量係数)によって値が変わるため、一意に定まりません。そのため、IUPACなどの標準化団体は、より明確なモル濃度の使用を推奨しています。

希釈と濃縮の具体的な操作方法は?

希釈は溶媒(水など)を追加することで行います。濃縮は、溶質をさらに加えるか、あるいは加熱して溶媒を蒸発させることで実現します。

References

  1. , , 5th ed. (the "Gold Book") (2025). Online version: (2006–) "concentration". :10.1351/goldbook.C01222
  2. "concentration". (online ed.). Oxford University Press. (Subscription or participating institution membership required.)
  3. , , 5th ed. (the "Gold Book") (2025). Online version: (2006–) "volume fraction". :10.1351/goldbook.V06643
  4. Norm  [de]: Zusammensetzung von Mischphasen (Gasgemische, Lösungen, Mischkristalle); Begriffe, Formelzeichen. 1984.