靴を購入する際、私たちは当たり前のように「サイズ」を確認します。しかし、その数字が何を意味しているかは、国やブランド、さらには靴の種類によって大きく異なります。単なる足の長さだけでなく、靴の内部空間や製造上の基準となる「型」など、複雑な要素が絡み合っているためです。
自分にぴったりの一足を見つけるためには、世界で使われている主要なサイズシステムと、その算出根拠を理解することが重要です。

Key Facts
- サイズ表記の多様性:世界には複数のサイズ体系が存在し、測定単位や基準点(サイズ0の位置)が異なります。
- ラスト(Last)の概念:靴のサイズは実際の足の長さではなく、靴の原型となる「ラスト」の長さを基準にすることが一般的です。
- 幅の表記:長さだけでなく、足の幅や甲の高さ(周径)をアルファベットや数字で示すシステムがあります。
- 国際標準:ミリメートル単位で足の実寸を表記する「モンドポイント(Mondopoint)」がISO規格として存在します。
靴のサイズを決定する要素
足の実寸とラストの関係
靴のサイズを考える上で重要なのが、ラスト(Last)と呼ばれる靴の原型です。靴は足にぴったり密着させるのではなく、指先や甲に適切な余裕を持たせる必要があります。このため、靴の内部には「キャビティスペース」と呼ばれる空間が設けられています。

長さの測定単位
サイズ体系によって使用される単位は異なります。例えば、イギリスや北米のシステムでは、古くからの英国単位であるバーリーコーン(Barleycorn)が基礎となっています。これは1/3インチ(約8.5mm)に相当します。一方、欧州ではパリポイント(2/3cm)などの単位が用いられてきました。
幅とフィット感の表記
足の長さが合っていても、幅が合わなければ快適に履くことはできません。幅の表記はシステムによって異なりますが、一般的に「N(Narrow/狭い)」から「W(Wide/広い)」、あるいは「A」から「E」などのアルファベットで区分されます。例えば、北米ではDが標準的な幅とされ、EEやEEEEとなるほど幅広の設計になります。
主要なサイズシステムの特徴
北米(US)および英国(UK)システム
これらの地域では、バーリーコーン単位に基づいた計算式が使われています。USサイズの場合、男性と女性で基準となる定数が異なるため、同じ数字でも実際の長さが変わります。また、足の長さを正確に測るための専用器具としてブランノック・デバイス(Brannock Device)が広く普及しています。

欧州(EU)システム
大陸欧州で採用されているシステムは、主にセンチメートルをベースにしたパリポイントに基づいています。計算式はシンプルで、ラストの長さに一定の係数を掛け合わせて算出されます。
モンドポイント(Mondopoint)
モンドポイントは、足の実際の長さをミリメートルで表記する国際標準(ISO 19407)のシステムです。例えば「280/110」という表記であれば、足の長さが280mm、幅が110mmであることを意味します。主観的な「サイズ番号」ではなく実寸を用いるため、世界共通で誤解のないサイズ選びが可能です。

サイズ変換まとめ
以下に、成人向けの主要なサイズ体系の対応関係をまとめました。※ブランドや設計により多少の誤差が生じます。
| 足の実寸 (mm) | モンドポイント | EUR | UK | US (メンズ) | US (ウィメンズ) |
|---|---|---|---|---|---|
| 230.0 | 230 | 36.5 | 4 | 5 | 6 |
| 240.0 | 240 | 38 | 5.5 | 6.5 | 7.5 |
| 250.0 | 250 | 39.5 | 6.5 | 7.5 | 8.5 |
| 260.0 | 260 | 41 | 7.5 | 8.5 | 9.5 |
| 270.0 | 270 | 42.5 | 9 | 10 | 11 |
| 280.0 | 280 | 44 | 10 | 11 | 12 |
Frequently Asked Questions
なぜ同じサイズ表記でもブランドによってフィット感が違うのですか?
各メーカーが独自の「ラスト(靴型)」を使用しているためです。ラストの形状や、内部に設ける余裕(キャビティスペース)の設計思想が異なるため、表記上のサイズが同じでも実際の履き心地に差が出ます。
USサイズとUKサイズは何が違うのですか?
どちらもバーリーコーンという単位を基礎としていますが、サイズ0(または1)とする基準点となる長さが異なります。一般的に、同じ数字であればUKサイズの方がUSサイズよりもわずかに大きく設計されています。
モンドポイント表記のメリットは何ですか?
足の実寸(ミリメートル)をそのまま表記するため、国や地域による複雑な変換計算が不要である点です。また、幅の数値も併記されるため、より客観的にフィット感を確認できます。
靴の幅(ウィズ)はどうやって選べばいいですか?
足の幅や甲の高さに合わせて、アルファベット表記(D, E, EEなど)を確認してください。標準的な幅で窮屈さを感じる場合は、一つ上のアルファベット(例:DからEへ)を選択することで快適性が向上します。
References
- Protective/safety shoes
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