香港の知的インフラの中核を担う香港公共圖書館(HKPL)は、都市全体に張り巡らされた広大なネットワークを持つ公共図書館システムです。レジャー・文化サービス部(LCSD)によって管理されており、静的な施設だけでなく、移動図書館を通じて地域住民に幅広く知識へのアクセスを提供しています。世界最大級のバイリンガル(中国語および英語)管理システムを導入しており、効率的な蔵書管理と利用者の利便性を両立させています。
Key Facts
- 施設規模:固定図書館71拠点および移動図書館12台で構成。
- 膨大な蔵書:書籍1,136万冊、マルチメディア資料174万点を含む計1,435万点のアイテムを保有。
- 高い利用率:利用者数は約410万人に達し、年間貸出数は6,000万冊を記録。
- 運営体制:レジャー・文化サービス部が管轄し、予算規模は約7億7,620万香港ドル。
- 中枢機能:銅鑼湾(コーズウェイベイ)にある香港中央図書館が本部および最大拠点として機能。
図書館システムの発展と歴史
香港における公共図書館の歩みは、1869年に旧市庁舎内に設立されたシティホール図書館にまで遡ります。この最初の試みは1933年の市庁舎解体とともに一度途絶えましたが、1962年に新市庁舎に現代的な図書館がオープンしたことで、現在のシステムの基礎が築かれました。開設初月には1万枚以上の図書カードが発行されるなど、市民の強い関心を集めました。
その後、ネットワークは急速に拡大しました。1965年には九龍地区初のウォータールーロード図書館が開設され、1970年には華富邨(Wah Fu Estate)に Pok Fu Lam 公共図書館が誕生しました。1974年には新界地区の荃湾(Tsuen Wan)に初の図書館が設置され、さらに1976年には移動図書館が導入されることで、地理的な制約を超えたサービス提供が可能となりました。
管理体制については、かつては地域ごとに都市評議会(Urban Council)や地域評議会(Regional Council)が分担して運営していましたが、1999年の評議会廃止に伴い、現在のレジャー・文化サービス部へと統合されました。2001年には、最新技術を完備した12階建ての香港中央図書館が完成し、地域の情報センターとしての役割を担っています。
地域に根ざした図書館の例として、屯門(Tuen Mun)などの各地区に配置された図書館が、住民の学習や研究を日々サポートしています。

蔵書管理と運営の現状
香港公共圖書館は、多様なニーズに応えるため、膨大な数の書籍やマルチメディア資料を整備しています。特に、英語と中国語の両方に対応したコンピュータ管理システムは、世界的に見ても最大規模のバイリンガルシステムの一つであり、多言語社会である香港の特性を反映しています。
| 項目 | 詳細データ |
|---|---|
| 総蔵書数 | 約1,435万点(書籍1,136万冊 / マルチメディア174万点) |
| 施設数 | 固定71拠点 / 移動12台 |
| 登録会員数 | 約410万人 |
| 年間貸出数 | 6,000万冊 |
| サービス対象人口 | 約718万4,000人 |
| 年間予算 | 7億7,620万香港ドル |
コンテンツの選定と論争
近年、蔵書の選定基準を巡る議論が起きています。2020年の香港国家安全維持法の施行後、当局の指示により、民主派の活動家(ジョシュア・ウォン氏、タニア・チャン氏、ホレス・チン氏など)による書籍が「審査中」として棚から撤去されました。
また、2021年には天安門事件に関する29タイトル(計263冊)の撤去が判明し、2023年には風刺漫画家Zunzi氏の作品も除外されました。レジャー・文化サービス部は、コレクションの発展に合致しない書籍を定期的に見直しており、国家安全維持法や香港の法律に違反する疑いがある資料は直ちに撤去し審査を行う方針を示しています。さらに、2023年7月には、法に違反する可能性のある書籍について、市民からの報告を歓迎する意向を表明しました。
Frequently Asked Questions
香港公共圖書館の本部はどこにありますか?
本部は銅鑼湾(コーズウェイベイ)にある香港中央図書館の11階に位置しています。
移動図書館はどのような役割を果たしていますか?
固定の図書館施設が少ない地域や、アクセスが困難な場所へ書籍を届けることで、地域住民の読書機会を確保しています。
蔵書の管理にはどのようなシステムが使われていますか?
中国語と英語の両方に対応した、世界最大級のバイリンガル・コンピュータ管理システムが導入されています。
最近の蔵書撤去の理由は何ですか?
レジャー・文化サービス部は、国家安全維持法やその他の香港の法律に違反する可能性があると判断された書籍を、審査のために撤去しています。
誰がこの図書館システムを運営していますか?
香港政府のレジャー・文化サービス部(LCSD)が管理・運営を行っています。
References
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