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Such Good Friends(映画)|オットー・プレミンガーが描く愛と裏切りのブラックコメディ

1971年に公開された映画『Such Good Friends』は、華やかなニューヨークの生活の裏側に潜む、残酷な真実と人間関係の崩壊を描いたブラックコメディ・ドラマです。巨匠オットー・プレミンガーが監督を務め、不倫や裏切り、そして死という重いテーマを、冷徹かつ鋭い視点で切り取っています。

Key Facts

物語のあらすじ:完璧な家庭の崩壊

舞台はマンハッタン。主人公のジュリー・メッシンジャーは、二人の息子を持つ、一見すると幸福な主婦でした。夫のリチャードは雑誌のアートディレクターであり、ベストセラー作家としても成功している自信家です。

しかし、ある些細な手術をきっかけに、リチャードは昏睡状態に陥ります。医師のミスによる合併症と稀なアレルギー反応が重なり、彼の臓器は次々と機能を停止していきます。絶望に暮れるジュリーでしたが、そこで衝撃的な事実を突きつけられます。親しい友人であるカルから、リチャードが恋人のミランダと一年以上にわたる不倫関係にあったことを告げられたのです。

さらに、リチャードのデスクから見つかった「秘密の手帳」には、ミランダだけでなく、ジュリーの友人を含む数多くの女性との情事に関する暗号のような記録が記されていました。夫への愛と憎しみ、そして裏切られた絶望の間で、ジュリーの精神は次第に崩壊していきます。最終的にリチャードが息を引き取ったとき、彼女は彼への複雑な感情を抱えたまま、子供たちと共に静かに未来を見つめることになります。

制作の舞台裏:衝突と妥協のプロセス

本作の制作過程は、完成した映画と同様に波乱に満ちていました。プレミンガー監督は、ロイス・グールドの原作小説が出版される3ヶ月前に、20万ドルという高額で映画化権を獲得しました。

脚本を巡る葛藤

原作の「意識の流れ」という手法を映画に落とし込むのは困難を極めました。複数の脚本家が起用されましたが、最終的に起用されたのはエレーヌ・メイでした。彼女は独自の執筆スタイルを持っており、プレミンガーとの打ち合わせ後に姿を消し、数週間後に脚本を完成させるという特異な方法で執筆を進めました。また、彼女は他者の手が加わった作品に名前を出したくないという理由から、「エスター・デイル」という偽名を使用しました。

監督と主演女優の不仲

撮影現場では、プレミンガー監督と主演のダイアン・キャノンが激しく衝突しました。遅刻を嫌う監督に対し、キャノンは頻繁に遅刻し、さらにキャラクターの解釈や衣装についても意見が真っ向から対立しました。二人は撮影後、和解はしたものの「二度と一緒に仕事はしない」と誓い合ったと言われています。

作品の評価と批評

公開当時の評価は分かれましたが、一部の批評家からは高い評価を得ました。著名な批評家ロジャー・エバートは、本作を「冷酷で感情を排した、深くシニカルなコメディ」と評し、1959年の『証拠』以来の快作であると絶賛しました。また、社会の残酷さを描き出すために、あえて下品な台詞や攻撃的なやり取りを盛り込んだ点に、プレミンガーの演出意図を見出しています。

一方で、『タイム』誌などは、メロドラマ的な設定をコメディとして処理することに疑問を呈し、評価は分かれました。しかし、ダイアン・キャノンの演技は認められ、ゴールデングローブ賞の主演女優賞にノミネートされる結果となりました。

作品概要まとめ

『Such Good Friends』基本情報
項目 詳細
上映時間 102分
製作国 アメリカ合衆国
配給 パラマウント・ピクチャーズ
主な受賞・ノミネート ゴールデングローブ賞 主演女優賞ノミネート(ダイアン・キャノン)

Frequently Asked Questions

この映画のジャンルは何ですか?

ブラックコメディとドラマの要素を併せ持った作品です。悲劇的な状況を皮肉な視点から描き、人間のエゴイズムや不誠実さを浮き彫りにしています。

脚本に「エスター・デイル」という名前があるのはなぜですか?

実際には脚本家のエレーヌ・メイが執筆しましたが、彼女が自身の名前を出すことを拒否し、当時のキャラクター女優の名前である「エスター・デイル」というペンネームを使用したためです。

物語の核心となる「黒い手帳」とは何ですか?

夫のリチャードが密かに付けていた記録帳で、そこには彼が不倫していた多くの女性たちのデータが暗号形式で記されていました。

監督と主演女優の関係はどうでしたか?

非常に険悪でした。キャラクターの解釈や撮影への取り組み方を巡って激しく言い争い、撮影期間中は緊張感に包まれていたと伝えられています。

どのような評価を受けた作品ですか?

賛否両論ありましたが、冷徹な人間描写や鋭い台詞回しが高く評価された一方で、あまりにシニカルで不快であると感じる観客もいた作品です。

References

  1. "SUCH GOOD FRIENDS (X)". . January 26, 1972. Archived from the original on December 4, 2014. Retrieved November 26, 2014.
  2. "Such Good Friends". . Archived from the original on September 13, 2011. Retrieved March 23, 2016.
  3. Fujiwara, Chris, The World and Its Double: The Life and Work of Otto Preminger. New York: Macmillan Publishers 2009.  , p. 385
  4. The World and Its Double, pp. 385-86
  5. The World and Its Double, pp. 388-95
  6. Chicago Sun-Times review
  7. Time review
  8. "Cleveland Press review". Archived from the original on October 5, 2007. Retrieved June 25, 2009.
  9. "Time Out London review". Archived from the original on June 7, 2011. Retrieved June 25, 2009.
  10. "TV Guide review". Archived from the original on March 6, 2012. Retrieved June 25, 2009.