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UKネイティブ・シード・ハブ(UKNSH)英国の生物多様性を守る種子保存プロジェクト

英国の豊かな自然環境を次世代に引き継ぐため、UKネイティブ・シード・ハブUKNSHは重要な役割を担っています。このプロジェクトは、キュー王立植物園の「ミレニアム・シードバンク・パートナーシップ」の一環として運営されており、英国在来種の種子の増殖と配布を通じて、生態系ネットワークの回復力と一貫性を高めることを目的としています。

2010年に発表されたジョン・ロートン卿の報告書『Making Space for Nature』への対応策として設立された本プロジェクトは、単なる種子の保存に留まらず、実際の保全や環境復元プロジェクトに高品質な種子を提供することで、英国全土の生物多様性を実質的に向上させることを目指しています。

Key Facts

  • 運営主体:キュー王立植物園(ミレニアム・シードバンク・パートナーシップ)
  • 所在地:イングランド、ウェストサセックス州ウェイクハースト・プレイス
  • 設立年:2011年(エズミー・フェアバーン財団の寄付により始動)
  • 主な目的:商業的に入手困難な在来種の種子提供と、生態系復元の支援
  • 提供形態:非営利ベースのライセンス契約による配布

UKNSHの役割と運営メカニズム

UKNSHは、商業市場では入手が難しい希少な在来種や、特定の地域(プロベナンス)に由来する種子を専門的に扱っています。これにより、復元プロジェクトにおいて、その土地の環境に最も適した遺伝的特性を持つ植物を再導入することが可能になります。

種子の供給体制

提供される種子は、ミレニアム・シードバンクの高品質なコレクションから供給されます。在庫が十分な場合は直接提供されますが、数量が不足している場合は、ウェイクハースト・プレイスにある専用の生産ベッドで増殖(バルクアップ)させます。提供される種子はすべて、野生から直接採取された種子の第一世代(F1)であり、遺伝的な純度が保たれています。

また、非営利組織として、種子の提供は英国の生物多様性に直接寄与するプロジェクトに限定されており、費用は種子バンクの在庫を補充するための実費のみが請求される仕組みとなっています。

生産拠点:ウェイクハースト・プレイスの施設

ウェストサセックス州のハイ・ウィールドに位置する生産拠点は、約1ヘクタールの敷地に28の生産ベッドを備えています。ここでは、発芽や処理が困難で商業的な生産が難しい種を中心に栽培が行われています。

例えば、ベルフラワー(Campanula rotundifolia)やダイヤーズ・グリーンウィード(Genista tinctoria)などの草原種が重点的に再生されています。また、サウスダウンズ産のプリムラ・ベリス(Cowslip)のように、特定の生息地や地域に特化したコレクションの作成にも取り組んでいます。この施設は一般公開されており、植物の授粉媒介者を観察できる貴重なスポットにもなっています。

UKネイティブ・シード・ハブ(UKNSH)概要まとめ
項目 詳細内容
設立背景 2010年の「Making Space for Nature」報告書への対応
初期資金 エズミー・フェアバーン財団による75万ポンドの助成
提供種子の特徴 野生採取種子の第一世代(F1)、地域固有の系統(プロベナンス)
支援内容 種子の提供に加え、技術トレーニングや専門的なアドバイスを実施

専門的なサポートと技術普及

UKNSHの活動は種子の配布だけではありません。種子の収集家、生産者、そして利用者が、英国の環境に最適な種子を正しく活用できるよう、包括的なトレーニングを提供しています。

サポート範囲は、種子の採取から始まり、処理、試験、保存、配布、そして最終的な播種(種まき)に至るまで、ハンドリングの全工程をカバーしています。これにより、英国における在来種利用のベストプラクティスを確立し、持続可能な保全活動を推進しています。また、コンサルティングサービスを通じて、初期の助成期間終了後もプロジェクトが自立して継続できる体制を整えています。

Frequently Asked Questions

UKNSHではどのような種子が提供されますか?

主に商業市場で入手困難な英国在来種の種子を提供しています。特定の地域由来の系統(プロベナンス)を持つ種子や、ミレニアム・シードバンクが保存している希少種のコレクションが含まれます。

誰でも種子を購入することができますか?

いいえ。英国の生物多様性を直接的に支援する正当な保全・復元プロジェクトに限定して、ライセンス契約に基づき提供されます。

提供される種子の「F1」とはどういう意味ですか?

野生の個体から直接採取された種子から育てられた、第一世代の offspring(子孫)であることを意味します。これにより、野生本来の特性を維持した種子の提供が可能になります。

種子の提供以外にどのような支援がありますか?

種子の採取、処理、保存、播種に至るまでの全工程に関する技術トレーニングや、専門的なアドバイス、コンサルティングを提供し、利用者のスキル向上を支援しています。

生産拠点は一般の人も見学できますか?

はい。ウェイクハースト・プレイスにある生産ベッドは一般に公開されており、訪問者は植物や授粉媒介者の様子を観察することが可能です。

References

  1. Kew website
  2. "Restoring Native Plants in the UK: 5 Questions for Kew Scientist Michael Way", Encyclopædia Britannica Blog, 23 September 2011, accessed 23 August 2014
  3. "Kew launches native flowers project at Wakehurst Place", BBC News, Sussex, including 3:00 film clip, 17 August 2011, accessed 23 August 2014
  4. UKNSH License Agreement
  5. Kew consultancy
  6. "Esmée Fairbairn Foundation". Archived from the original on 2 July 2015. Retrieved 20 August 2014.
  7. "Kew sets up 'UK seed hub' to restore wild flower meadows", Louise Gray, The Telegraph, 2011
  8. Wakehurst Visitors' Map PDF, accessed 23 August 2014
  9. "Kew unveils native flower seed bank", Camila Ruz, , 17 August 2011, accessed 23 August 2014