Emory S. Land tending USS Chicago and USS Pasadena at Guam, in 2017.
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USSエモリー・S・ランド潜水艦の運用を支える「洋上の拠点」

広大な海洋で潜水艦がその能力を最大限に発揮するためには、高度な整備と物資の補給が欠かせません。USSエモリー・S・ランド (AS-39)は、まさにその役割を担うアメリカ海軍の潜水艦支援艦(サブマリン・テンダー)であり、同型艦のネームシップ(先導艦)として長年にわたり海軍の作戦を支え続けています。

潜水艦支援艦とは、いわば「動く整備工場兼補給基地」です。エモリー・S・ランドは、食料や水、電気といった生活必需品から、精密なスペアパーツ、弾薬、さらには医療や歯科、法務サービスに至るまで、潜水艦が必要とするあらゆるリソースを提供します。船内には53もの専門的な工作ショップを備えており、小規模な街のような機能的なインフラを完備しています。

主要スペックと特徴

本艦は、その巨大な船体の中に潜水艦の維持に必要なあらゆる設備を凝縮しています。最大積載時の排水量は約23,000トンに達し、蒸気タービンによる推進力で最大18ノットの速度を出すことが可能です。

USSエモリー・S・ランド 基本諸元
項目 詳細
艦種 エモリー・S・ランド級 潜水艦支援艦
全長 / 全幅 198m / 26m
排水量(満載時) 22,978 long tons (約23,347 t)
推進方式 ボイラー2基 / 蒸気タービン(単軸)
最大速度 18ノット (約33 km/h)
乗員数 海軍 900名 / 軍事輸送司令部(MSC) 150名
武装 40mm対空砲×2、20mm対空砲×4、12.7mm機銃×4

Key Facts

  • 多機能な支援体制: 53の専門ショップを保有し、潜水艦の修理から医療、郵便、法務まで包括的にサポートする。
  • 世界的な運用実績: 世界周航を達成した経験を持ち、地中海、インド洋、太平洋など世界各地で展開。
  • 戦略的な拠点移動: かつてはバージニア州ノーフォークやイタリアのラ・マッダレーナを拠点とし、現在はグアムを本拠地としている。
  • 国際協力の象徴: AUKUS協定に基づき、オーストラリアでの潜水艦整備作業に従事するなど、同盟国との連携を強化している。

運用履歴と世界的な展開

1979年に就役したエモリー・S・ランドは、当初バージニア州ノーフォークを拠点に、新型のSSN-688級攻撃型潜水艦を支援する第8潜水艦戦隊の旗艦を務めました。その後、その活動範囲は世界へと広がります。

1980年代には太平洋艦隊へ配属され、インド洋での作戦を支援。1988年には182日間にわたる展開の中で約26,000海里を航行し、世界周航を成し遂げました。また、1990年代にはイタリアのラ・マッダレーナに長期配属され、大西洋艦隊の重要な拠点として機能しました。

2007年以降、本艦は体制を移行し、海軍員と軍事輸送司令部(MSC)の混成乗員による運用へと変更されました。その後、ディエゴ・ガルシアを経て、2015年12月に現在の本拠地であるグアム海軍基地へと移転しました。

Emory S. Land tending USS Chicago and USS Pasadena at Guam, in 2017.

近年では、2023年12月にグアムからオーストラリアのHMASスターリング海軍基地へ展開。AUKUS(米英豪の安全保障枠組み)の一環として、バージニア級潜水艦の整備作業をオーストラリア国内で初めて実施し、現地海軍への技術伝承を行うという重要な任務に当たっています。

栄誉と文化的な影響

その卓越した運用能力は多くの賞によって証明されています。4回の功績部隊表彰(Meritorious Unit Commendation)や、8回の戦闘効率賞(Battle Effectiveness Awards)を受賞しており、特に艦内食の質の高さで知られる「キャプテン・エドワード・F・ネイ記念賞」を2度受賞している点も特筆すべき点です。

また、その存在感はフィクションの世界にも及んでおり、ドン・ブラウンによる2012年の海軍スリラー小説『Fire of the Raging Dragon』に重要な艦として登場しています。

Frequently Asked Questions

潜水艦支援艦(サブマリン・テンダー)の具体的な役割は何ですか?

潜水艦が港に戻ることなく作戦を継続できるよう、洋上で整備、補給、医療、行政サービスなどを提供する「移動式基地」としての役割を担います。

エモリー・S・ランドは現在どこに配属されていますか?

現在はグアムの海軍基地を本拠地として運用されています。

AUKUS協定においてどのような役割を果たしていますか?

オーストラリアの海軍基地でバージニア級潜水艦の整備を行い、オーストラリア海軍の乗員に修理技術を指導することで、同盟国間の相互運用性を高めています。

この艦はどのような武装を備えていますか?

主に自衛用の武装として、40mm対空砲2門、20mm対空砲4門、および12.7mm機銃4門を搭載しています。

船内にはどのような設備がありますか?

潜水艦のあらゆる修理に対応するため、53の異なる専門工作ショップを備えており、小規模な工業都市のような機能を備えています。

References

  1. Emory S. Land Command History 1979
  2. Emory S. Land Command History 1988
  3. Emory S. Land Command History 1991
  4. Globalsecurity.org
  5. "COMSUBPAC announces changes of homeport". Commander Submarine Force U.S. Pacific Fleet. Archived from the original on 6 June 2011. Retrieved 4 December 2009.
  6. Fellman, Sam, "CO fired after sub tender hits channel buoy", , 15 July 2011.
  7. Second submarine tender to be homeported in Guam by Commander, Submarine Force, U.S. Pacific Fleet Public Affairs, 23 December 2015
  8. First US submarine repairs in Australia scheduled for summer, Megan Eckstein, , 2023-12-01
  9. Google Books reference to USS Emory S. Land in novel Fire of the Raging Dragon