産業データの標準化を推進するWIP(Work in Progress)の実現には、膨大なコンテンツの蓄積、それを支えるインフラストラクチャ、そして効率的な運用ツールの3つの要素が不可欠でした。本記事では、1990年代から始まったデータの統合プロセスと、ISO認定に至るまでの技術的な変遷について解説します。
Key Facts
- 1992年頃から複数の企業によってコンテンツ作成が開始された。
- かつて分かれていたSTEPlib(USPI)とPClib(POSC Caesar Association)が2005年から2006年にかけて統合された。
- 2007年時点で、約10,000のクラスがISO認定を受け、「コアライブラリ」として定義されている。
- インフラはPOSC Caesar AssociationのRDSプロジェクトによって構築され、ExpressネイティブおよびSQL Serverデータベースで構成されている。
- ツールの開発は、RDSプロジェクトとFIATECH ADIプロジェクトが主導した。
コンテンツの統合とISO標準化のプロセス
WIPの基盤となるデータコンテンツは、1992年頃に多くの企業が協力して作成し始めたものです。当初、これらのデータはリファレンスデータライブラリ(参照用データ集)として、USPIが管理する「STEPlib」と、POSC Caesar Associationが管理する「PClib」の2系統に分かれて運用されていました。
しかし、標準化の効率を高めるため、2005年から2006年にかけてこれら2つのライブラリが再び統合されました。その結果、2007年には約10,000ものクラスがISO(国際標準化機構)の認定を受けるに至り、これが現在の「コアライブラリ」として機能しています。さらに、POSC Caesar IDSプロジェクトを通じて、新たなクラスやオブジェクト情報モデル(OIM)の追加による拡張が計画されています。
運用を支えるインフラとツールの開発
蓄積されたデータを有効活用するため、POSC Caesar AssociationのRDS(Reference Data System)プロジェクトが専用のインフラストラクチャを整備しました。このシステムは、ExpressネイティブデータベースとSQL Serverデータベースを併用しており、Webベースのインターフェースを通じてアクセス可能です。ユーザーの役割に応じて、エンジニア向けとモデラー向けの異なる画面が提供されています。
2007年から2008年にかけて、このシステムは24時間365日の稼働体制へと移行しました。この運用期間は、実務的な手順や操作方法を検証するためのテストフェーズとして位置づけられています。将来的には、ここで得られた知見を活かし、ISOメンテナンスエージェンシーがコンテンツの管理を引き継ぎ、最適なインフラへと移行することが想定されています。
また、これらのシステムを機能させるためのツール群は、前述のRDSプロジェクトに加えて、FIATECH ADIプロジェクトの協力によって開発されました。
WIP構築の構成要素まとめ
| 構成要素 | 主導組織・プロジェクト | 主な内容・成果 |
|---|---|---|
| コンテンツ | USPI / POSC Caesar Association | STEPlibとPClibの統合、約1万クラスのISO認定(コアライブラリ) |
| インフラ | RDSプロジェクト | Express/SQL Server DB、Web画面、24/7運用体制 |
| ツール | RDS / FIATECH ADIプロジェクト | データ操作および管理用ツールの開発 |
Frequently Asked Questions
STEPlibとPClibとは何ですか?
それぞれUSPIとPOSC Caesar Associationが管理していたリファレンスデータライブラリのことです。2005年から2006年にかけて統合され、現在のWIPコンテンツの基礎となりました。
コアライブラリにはどれくらいのデータが含まれていますか?
2007年時点で、約10,000のクラスがISO認定を受けており、これらがコアライブラリを構成しています。
RDSプロジェクトが構築したインフラの特徴は?
ExpressネイティブおよびSQL Serverデータベースを採用しており、エンジニアやモデラーがWeb経由でアクセスできる仕組みになっています。
今後のコンテンツ拡張はどうなる予定ですか?
POSC Caesar IDSプロジェクトにより、新しいクラスやオブジェクト情報モデルが追加され、さらに拡充される計画です。
インフラの管理体制は将来的にどう変わりますか?
RDSプロジェクトでの運用経験を基に、将来的にはISOメンテナンスエージェンシーがコンテンツの管理を引き継ぎ、必要に応じて別のインフラへ移行することが検討されています。