南米のアンデス山脈、チリとアルゼンチンの国境にまたがるオホス・デル・サラドは、標高6,893メートルに達する世界で最も高い火山です。単なる一つの山ではなく、複数の溶岩ドームや火口が重なり合って形成された巨大な火山複合体であり、その圧倒的な存在感は宇宙からも確認できるほどです。

主要な事実(Key Facts)
- 世界最高峰の火山であり、チリ国内では最高地点である。
- 標高は6,893メートルに達し、アンデス山脈全体ではアコンカグアに次ぐ第2位の高さ。
- 成層火山の一種で、現在は休止状態にあるが、噴気孔などの活動が確認されている。
- 世界で最も高い場所にある湖(標高約6,480〜6,500メートル)を擁する。
- 極めて乾燥した環境にあり、植生がほとんどない高地砂漠地帯に位置する。
地理的特徴と地形の構造
この火山は、平均標高4,000メートルの高地平原「プナ・デ・アタカマ」の南端に位置しています。地形的には単一の円錐形ではなく、20以上の火口を持つ複雑な構造をしており、その面積は70〜160平方キロメートルに及びます。山頂付近には幅1.3km、奥行き0.5kmの主火口があり、その周囲を玄武岩や軽石、スコリアなどの火山岩が取り囲んでいます。
また、山体には埋没したカルデラや、北北東方向に並ぶ火山丘などの特徴が見られます。特に、山麓にあるセロ・ソロやエル・フライレといった巨大な溶岩ドームは、かつて大規模な火砕流を発生させた痕跡を残しています。

極限環境が生み出す自然現象
世界最高所の湖と地熱活動
山頂火口内には、永久凍土や雪原から供給される世界最高所の湖が存在します。この湖の周囲には硫黄成分を含むガスを放出する噴気孔(フマロール)が点在しており、一部の流入河川では40.8℃という高温が記録されています。こうした地熱活動は衛星からも温度異常として観測されており、地熱発電への利用可能性についても検討されています。
氷の造形「ペニテンテ」と地下氷
この地域では、強い日射によって氷が昇華し、鋭い針状に突き出した氷の塔ペニテンテと呼ばれる特異な地形が形成されます。1949年には高さ5〜8メートルに達するものも報告されました。また、地表には砂に覆われて隠れている地下氷が存在しており、極めて乾燥した環境ながらも氷のサイクルが存在しています。


地質学的歴史と火山活動
オホス・デル・サラドの活動は、約330万年前から150万年前、あるいは更新世後期に始まったと考えられています。地質調査によれば、山体の基盤は中新世の火山活動による安山岩やデイサイトで構成されており、その後、数百万年にわたって溶岩流や火砕流が積み重なって現在の姿となりました。
直近の噴火は約750年前に起きたと推定されています。現在のリスク評価では、チリやアルゼンチンの当局により「非常にリスクが低い」と分類されていますが、将来的に噴火が起きた場合は、溶岩ドームの形成や小規模な爆発的噴火、そして山上の氷が溶けることによる泥流(ラハール)の発生が懸念されます。
生態系と人類の足跡
標高4,900メートルを超えると植物はほぼ完全に消失しますが、一部の地衣類や苔、そして湖の堆積物からは塩分や酸、低温に耐性を持つ極限環境微生物が発見されています。一方で、低標高地域ではグアナコやビクーニャなどのラクダ科の動物、フラミンゴなどの鳥類が生息しています。
歴史的には、インカ帝国が近隣のサン・フランシスコ峠を利用していましたが、山頂に構造物を建てた形跡はありません。登山史においては、1937年にポーランドの登山家によって初登頂が達成されました。また、その標高を巡っては長年議論があり、1956年のアメリカ山岳会による調査や、その後のGPS測定を経て現在の数値が確定しました。
基本データまとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 最高標高 | 6,893 m |
| 山種 | 成層火山(複合火山) |
| 所在地 | チリ・アルゼンチン国境 |
| 初登頂 | 1937年2月26日 |
| 主な岩石 | デイサイト、玄武岩、安山岩 |
| 特筆事項 | 世界最高所の火山および最高所の湖を保有 |
Frequently Asked Questions
オホス・デル・サラドは現在も活動している火山ですか?
はい、休止状態ではありますが、山頂付近に硫黄ガスを出す噴気孔が存在し、地熱活動が確認されているため、地質学的には活火山に分類されます。
世界で最も高い湖があるというのは本当ですか?
本当です。山頂火口内に標高約6,480〜6,500メートルの湖が存在し、世界で最も高い場所にある湖として知られています。
登山以外にどのような挑戦が行われていますか?
極限的な高度への挑戦として、自動車、電気自動車、オートバイなどによる最高高度到達記録の更新試行が何度も行われており、2015年には改造車が標高6,688メートルまで到達しました。
「ペニテンテ」とはどのような現象ですか?
強烈な太陽光によって氷が直接気体になる「昇華」が起こり、氷が鋭い尖塔状に積み上がった地形のことです。この地域の厳しい気候を象徴する景観の一つです。
この山に登る際のリスクは何ですか?
極端な高所による低酸素状態に加え、水資源の欠如、未舗装路によるアクセスの困難さ、そして気象条件の激しい変化が主なリスクとなります。
References
- The Pleistocene is the geological period between 2.58 million and 11,700 years ago.
- The Holocene is the geological period between 11,700 years ago and today.
- The river does not actually originate on Ojos del Salado; according to the map from 2004, the Rio Salado originates next to .
- Paso San Francisco one of the most important crossings of the Andes with over 8,100 people crossing in 2018 when the road was paved.
- Relative to sea level; relative to base level is considerably higher.
- Cryoturbation landforms form when triggers deformation of the soil.
- There are waterbodies at 6,600 metres (21,700 ft) elevation; if considered lakes, they may be the highest lakes in the world.
- An early report of such lakes goes back to 1937.
- Several metres wide valleys that are filled with erosion debris.
- Zentilli 1974 considered the volcano linked to the so-called " Hot Line" of volcanoes but they do not have a common magma.
📸 フォトギャラリー



