Elliðaey island
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ヴェストマンナエイやる火山と海鳥が織りなすアイスランドの絶景群島

アイスランド南岸の沖合に浮かぶヴェストマンナエイやる(Westman Islands)は、ダイナミックな火山活動と豊かな海洋生態系が共存する魅力的な群島です。最大の中核となる島ヘイマエイには、地域の中心地であるヴェストマンナエイヤバエルという町があり、多くの人々が暮らしています。一方で、周囲の島々の多くは無人島であり、一部に狩猟用の小屋が点在するのみという、静寂と野生が支配する世界が広がっています。

Vestmannaeyjar as seen from Route 1, mainland Iceland

主要な事実(Key Facts)

  • 地理的特徴:約18の島々と30の岩礁からなる火山群島。
  • 人口:2024年時点で4,639人(主にヘイマエイ島に居住)。
  • 象徴的な生物:パフィン(ニシツノメドリ)が群島のシンボル。
  • 歴史的事件:1973年のエルドフェル火山噴火により町の一部が消失。
  • 気候:北大西洋海流(ガルフストリーム)の影響で、アイスランド国内で最も平均気温が高い。

火山の力で形成されたダイナミックな地形

地質学的に見て非常に若いこの群島は、南アイスランド火山帯(SIVZ)に位置し、過去1万年から1万2千年の間に繰り返された噴火によって誕生しました。海面上下合わせて70〜80もの火山が存在し、島々はパラゴナイト凝灰岩と溶岩が交互に積み重なって形成されています。

Map of the archipelago

特に注目すべきは、1963年から約4年間にわたって続いた噴火で誕生した15番目の島、スルツェイ島です。また、1973年にはエルドフェル火山が噴火し、155日間にわたって溶岩が流れ出しました。この際、町を救うために約68億リットルの冷たい海水が散布され、溶岩の流れを食い止めるという世界的な注目を集めた試みが行われました。この噴火により、ヘイマエイ島の面積は約2.1平方キロメートル拡大しました。

Development of the coastline of Heimaey during the eruption of Eldfell in 1973

島々の海岸線には、波の浸食によって作られた美しい入り江や洞窟、そして見事な玄武岩の柱状節理が点在しており、訪れる人々を魅了しています。

Heimaklettur seen from Stakkagerðistún, which is a public park in the middle of Heimaey

Heimaklettur seen from the top of Eldfell Volcano, which erupted on 23 January 1973

豊かな生物多様性と海洋資源

ヴェストマンナエイやるは、アイスランドのあらゆる海鳥が集まる聖地です。特にパフィンは最も数多く生息しており、群島のシンボルとして親しまれています。地元住民が迷い込んだパフィンを安全な場所へ誘導する伝統があるほど、人間と鳥の距離が近い場所です。

Puffin with capelin

また、周囲の海域は北大西洋でも有数の豊かな漁場として知られています。タラやハダラといった商業的に重要な魚種に加え、秋から冬にかけてはニシンやカペリン(ししゃも)が回遊します。深海域ではロブスターやメバルも多く、アザラシや小型のクジラなどの海洋哺乳類も頻繁に姿を見せます。

Smáeyjar islands

Suðurey, Hellisey, Súlnasker and Geldungur islands

気候の特徴:風と海流の物語

この地域は、ケッペンの気候区分で「亜極地海洋性気候(Cfc)」に分類されます。緯度の割に降水量が多く、特に風が非常に強いことで知られています。ストールフホフディ地点では、アイスランド最高風速の秒速61メートルを記録したことがあります。

Gulf Stream route around Iceland

一方で、暖流であるガルフストリーム(北大西洋海流)の影響を強く受けているため、冬でも比較的温暖で、アイスランド国内で最も高い年平均気温を維持しています。この微気候のおかげで、春にはいち早く渡り鳥が戻ってくる傾向にあります。

歴史と文化:奴隷制から現代の漁業拠点まで

「ヴェストマンナエイやる」という名は、かつて北欧人が捕らえたゲール人(西方の人々=Westmen)に由来しています。伝説では、9世紀頃に逃亡した奴隷を追ったインゴルフル・アルナルソンがこの地で彼らを討ったことが名前の由来とされています。

歴史的な悲劇として、1627年の「トルコ人による拉致(Turkish Abductions)」が挙げられます。アルジェから来たバルバリ海賊によって234人が連れ去られ、多くが北アフリカで奴隷となりました。この事件後、島には防衛のための砦(スカンシン)が築かれました。

Title page of the book by Ólafur Egilsson, who was captured by Barbary corsairs in 1627

近代に入ると、1904年の動力船導入を機に漁業が飛躍的に発展し、現在ではアイスランドで最も生産性の高い漁業センターとなっています。また、文化面では毎年開催される大規模な祭典「ジョードハティズ(Þjóðhátíð)」が有名で、アイスランド全土から数千人の人々が集まります。

Elliðaey island

さらに、スポーツ面ではサッカーやハンドボールの強豪クラブであるÍBVが活動しており、絶滅火山跡地に作られたゴルフコースは、ヨーロッパでもトップクラスの評価を受けています。

February 2009 south aerial view of Súlnasker Geldungur, Hellisey, Álsey, Brandur, Suðurey, Heimaey, Bjarnarey, Elliðaey, with the Icelandic mainland in the background

交通アクセス

本土との往来は主にフェリーで結ばれています。2010年に開港したランデイヤヘフン港からは、約40分で島に到達可能です。2019年からは環境に配慮したハイブリッド電気フェリーが導入され、燃料消費の大幅な削減を実現しています。また、季節限定のチャーター便や医療用フライトを運航する空港も整備されています。

群島の概要まとめ

ヴェストマンナエイやるの基本データ
項目 詳細
主要島 ヘイマエイ(唯一の有人島)
総面積 約16.3平方キロメートル
人口(2024年) 4,639人
主要産業 漁業・水産加工業
気候区分 亜極地海洋性気候(Cfc)
象徴的な動物 パフィン(ニシツノメドリ)

Frequently Asked Questions

ヴェストマンナエイやるに住んでいる人はいますか?

はい、最大の中核となるヘイマエイ島に約4,400人が居住しており、中心地であるヴェストマンナエイヤバエルという町を形成しています。その他の島々は基本的に無人島です。

1973年の火山噴火では何が起きましたか?

エルドフェル火山が噴火し、溶岩が町に流れ込みました。住民全員が1ヶ月間本土へ避難しましたが、大量の海水を散布して溶岩の流れを止めることで、町の約80%を救うことができました。

パフィンを見るのに最適な場所ですか?

非常に適しています。パフィンはこの群島のシンボルであり、断崖や草地に数百万羽が営巣しているため、バードウォッチングの絶好のスポットとなっています。

本土からどのようにして行くことができますか?

主にランデイヤヘフン港からのフェリーを利用します。最新のハイブリッド電気フェリーが運航されており、所要時間は約40分です。また、季節によってはレイキャビクからの航空便も利用可能です。

なぜ「西方の島々」という名前がついているのですか?

古ノルド語でイギリスやアイルランドのケルト人を指す「Vestmenn(西方の人々)」に由来します。かつて捕らえられたゲール人がこの地にいたことから名付けられました。

References

📸 フォトギャラリー

Elliðaey island
Suðurey, Hellisey, Súlnasker and Geldungur islands
Smáeyjar islands
Puffin with capelin
Gulf Stream route around Iceland
Title page of the book by Ólafur Egilsson, who was captured by Barbary corsairs in 1627
Map of the archipelago
February 2009 south aerial view of Súlnasker Geldungur, Hellisey, Álsey, Brandur, Suðurey, Heimaey, Bjarnarey, Elliðaey, with the Icelandic mainland in the background
Heimaklettur seen from the top of Eldfell Volcano, which erupted on 23 January 1973
Vestmannaeyjar as seen from Route 1, mainland Iceland
Development of the coastline of Heimaey during the eruption of Eldfell in 1973
Heimaklettur seen from Stakkagerðistún, which is a public park in the middle of Heimaey