A CD-ROM in the tray of a partially open CD-ROM drive.
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CD-ROMの仕組みと歴史デジタルデータ時代の先駆けとなった光ディスク

1990年代から2000年代初頭にかけて、コンピュータのソフトウェア配布や家庭用ゲーム機のメディアとして不可欠だったのがCD-ROMです。現代ではインターネットによるダウンロードやDVD、Blu-rayにその座を譲りましたが、大容量のデジタルデータを物理的に運ぶという文化を定着させた功績は計り知れません。

かつての「マルチメディアPC」という言葉が象徴するように、CD-ROMの登場によって、数百メガバイトに及ぶ高精細な画像、音声、動画を一つのディスクにまとめて提供することが可能になりました。例えば、紙の百科事典全巻分に相当するテキストや画像を、わずか一枚のディスクに格納できる画期的な効率性を実現したのです。

A CD-ROM can easily store the entirety of a paper encyclopedia's words and images, plus audio & video clips.

Key Facts

  • 開発元:ソニーとフィリップスによる共同開発。
  • 標準規格:イエローブック(Yellow Book)」として定義され、後にISO/IEC 10149として標準化。
  • 容量:標準的なディスクで650MiBから870MiB程度。
  • 読み取り方式:780nmのレーザーダイオードを使用した光学読み取り。
  • 転送速度:1倍速(150 KiB/s)を基準とし、最大72倍速まで進化。

CD-ROMの誕生と進化の歩み

光ディスクの概念は1950年代後半から研究されていましたが、初期のLaserDisc(レーザーディスク)はアナログ方式でした。これをデジタル化し、現代のCDの基礎を築いたのが1979年から1980年にかけてのソニーとフィリップスのタスクフォースによる取り組みです。

まず音楽用のCD-DA(Compact Disc Digital Audio)が定義され、その拡張形式としてあらゆるデジタルデータを格納できるCD-ROMが設計されました。1985年には日本のCOMDEXで発表され、同年7月にはフィリップスから世界初のドライブ「CM 100」が発売されました。

その後、MicrosoftやAppleなどの業界リーダーが集まり、ファイルシステムの共通規格である「High Sierra」形式を策定。これが1988年にISO 9660として標準化されたことで、異なるOS間でのデータ互換性が確保され、普及が加速しました。

A CD-ROM in the tray of a partially open CD-ROM drive.

技術的な仕組みとデータ構造

CD-ROMは、ディスク表面に刻まれた微細な凹凸をレーザー光で読み取ることでデータを抽出します。ドライブ内部のレーザーシステムが精密に制御され、ディスクの回転に合わせて読み取り位置を移動させることで、任意の場所にあるデータにアクセスします。

The laser system of a CD-ROM drive

読み取りヘッドのレーザーがディスク上のあらゆる位置を走査できるため、効率的なデータ抽出が可能です。

The movement of the laser enables reading at any position of the CD.

セクターモードによるデータの使い分け

CD-ROMでは、データの信頼性を確保するために「セクター」という単位で管理されており、用途に応じて2つのモードが使い分けられています。

  • モード1:主にコンピュータデータ用。強力なエラー検出(CRC)と訂正機能(RSPC)を備えており、1セクターあたり2,048バイトの有効データ領域を持ちます。
  • モード2:画像や動画などのストリーミングデータ用。エラー訂正を簡略化することで、1セクターあたり2,336バイトという広いデータ領域を確保しています。

さらに、これらを拡張した「CD-ROM XA」規格では、データ用のForm 1とオーディオ/ビデオ用のForm 2を混在させることができ、ビデオCDなどのフォーマットに活用されました。

A view of a CD-ROM drive's disassembled laser system

転送速度の向上と物理的限界

CD-ROMドライブの速度は、音楽CDの回転速度(150 KiB/s)を「1倍速」として定義しています。初期のドライブは、内周から外周にかけて回転数を変えるCLV(定線速度)方式を採用していましたが、高速化が進むにつれて、一定の回転数を維持するCAV(定角速度)方式が主流となりました。

速度競争は激しく、52倍速(約10,400 rpm)などの超高速ドライブが登場しましたが、これ以上の高速化はポリカーボネート製ディスクの物理的な強度限界に突き当たりました。あまりに高速で回転させると、ディスクの微細な傷から亀裂が広がり、最悪の場合はディスクが飛散(破裂)する危険があったためです。

最終的には、複数のレーザーピックアップを搭載して読み取り速度を上げる手法(最大72倍速など)も試みられましたが、DVD-ROMの登場により、より大容量で安定した転送が可能なメディアへと移行していきました。

CD-ROMの仕様まとめ

CD-ROMの主要仕様と容量比較
ディスク種類 セクター数 データ容量 (Mode 1) 再生時間
8cm CD 94,500 約185 MiB 21分
標準 (74分) 333,000 約650 MiB 74分
拡張 (80分) 360,000 約703 MiB 80分
大容量 (99分) 445,500 約870 MiB 99分

Frequently Asked Questions

CD-ROMの「1倍速」とは具体的にどのくらいの速度ですか?

CD-ROMにおける1倍速は、音楽CDと同じ回転速度でデータを読み取った時の転送レートである150 KiB/sを指します。

なぜCD-ROMには「モード1」と「モード2」があるのですか?

コンピュータプログラムのような「1ビットのミスも許されないデータ」には強力なエラー訂正を持つモード1を使い、多少のノイズがあっても再生可能な「動画や音声データ」には効率を優先したモード2を使うためです。

52倍速などの高速回転でディスクが割れることはありますか?

はい、物理的にあり得ます。低品質なディスクや傷のあるディスクをCAV方式の高速ドライブで回転させると、遠心力によって亀裂が急速に拡大し、破損するリスクがあります。

ISO 9660とは何ですか?

CD-ROM上のファイル構成を定義した国際標準規格です。これにより、WindowsやMacなど異なるOSを搭載したコンピュータ間でも、同じディスク内のファイルを正しく認識して読み取ることが可能になりました。

CD-ROMとDVD-ROMの決定的な違いは何ですか?

主に記録密度と容量です。DVD-ROMはCD-ROMよりも遥かに短い波長のレーザーを使用し、より微細なピット(記録点)を読み取ることで、1層で約4.7GBという、CD-ROMの約7倍以上の容量を実現しています。

References

  1. The error correction system used in the CD audio format has two interleaved layers.
  2. To three .

📸 フォトギャラリー

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A view of a CD-ROM drive's disassembled laser system
The movement of the laser enables reading at any position of the CD.
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