私たちが日常的に目にする商品のバーコードの多くは、EAN(International Article Number / European Article Number)という世界共通の規格に基づいています。これは小売業や貿易において、製品のパッケージや製造元に応じて個別の識別番号を割り当てるシステムであり、国際的な物流管理や在庫コントロールを効率化するために不可欠なツールです。
もともとは店舗での商品識別を簡素化するために開発されましたが、現在はより広範なGTIN(Global Trade Item Number)という世界標準規格に統合されています。GTINはさまざまな形式で表現可能ですが、中でもEAN形式のバーコードは、卸売取引や会計処理において最も広く普及している形式です。
Key Facts
- EAN-13は最も一般的な13桁の規格で、国別接頭辞を含む。
- EAN-8はスペースが限られた小型商品に使用される短縮版。
- JANコードは日本独自の規格だが、実質的にEANのサブセットである。
- チェックディジットにより、スキャン時の読み取りエラーを検知できる。
- GS1接頭辞は製造国ではなく、登録したGS1加盟機関を示す。
EAN-13の構成要素
標準的なEAN-13コードは、以下の4つのセグメントで構成されています。
- GS1接頭辞(3桁): 製造者が加入しているGS1加盟機関を識別します。例えば「590」はポーランドに割り当てられています。なお、0から始まるコードは、米国・カナダのUPCコードに0を付加したものです。
- 製造者コード(可変長): GS1機関から各メーカーに割り当てられる固有番号です。製品数に応じて長さが調整される「可変長」方式を採用しており、コード資源の効率的な利用が図られています。
- 商品コード(可変長): メーカーが自社製品に個別に割り当てる番号です。製造者コードと合わせて合計9〜10桁になるよう調整されます。
- チェックディジット(1桁): バーコードが正しく読み取られたかを確認するための検証用数字です。

特殊な用途の接頭辞
一般的な商品以外にも、特定の分野で予約された接頭辞が存在します。例えば「978」や「979」は書籍のISBN(国際標準書籍番号)に使用され、便宜上「ブックランド」と呼ばれます。また、「977」はISSN(国際標準逐次刊行物番号)、「979」の先頭が0の場合はISMN(国際標準楽譜番号)に割り当てられています。
また、020〜029の範囲は小売店内部での利用(プライベートブランドや店内で計量・包装される商品など)に予約されており、価格や重量などの情報を独自に組み込むことが可能です。
チェックディジットの計算メカニズム
バーコードの最後の1桁(チェックディジット)は、単純な乱数ではなく、特定の計算式(モジュロ10)によって算出されます。これにより、1桁の入力ミスや、隣接する数字の入れ替わり(転置エラー)の多くを検出できます。
計算方法は、右から数えて奇数番目の桁に「3」、偶数番目の桁に「1」という重みを掛け合わせ、その合計を算出します。この合計値を10で割り切れる最小の数にするために必要な数値が、チェックディジットとなります。
| 規格 | データ桁数 | 重みのパターン(右から左へ) |
|---|---|---|
| EAN-13 | 12桁 | 3, 1, 3, 1, 3, 1, 3, 1, 3, 1, 3, 1 |
| EAN-8 | 7桁 | 3, 1, 3, 1, 3, 1, 3 |
| SSCC/GTIN-14 | 13桁 | 3, 1, 3, 1, 3, 1, 3, 1, 3, 1, 3, 1, 3 |
バーコードへのバイナリ符号化
数字としてのコードを視覚的なバーコードに変換する際、EAN-13では合計95個のモジュール(最小単位の幅)が使用されます。構成は、開始マーカー(3モジュール)、左側6桁のデータ(42モジュール)、中央マーカー(5モジュール)、右側6桁のデータ(42モジュール)、そして終了マーカー(3モジュール)となっています。

パリティによる方向識別
EAN-13の最大の特徴は、左側6桁の符号化に「L-コード(奇数パリティ)」と「G-コード(偶数パリティ)」を使い分けている点です。最初の1桁目の数字は直接的にバーで表現されず、左側6桁のパリティの組み合わせによって間接的に表現されます。




この仕組みにより、スキャナーがバーコードを左から読み取ったか右から読み取ったかに関わらず、パリティを確認することで正しく先頭と末尾を判別でき、正確なデコードが可能になります。

日本におけるJANコード
日本で普及しているJAN(Japanese Article Number)は、EAN規格と完全に互換性を持つサブセットです。1978年の導入当初は国コード「49」が割り当てられていましたが、1992年には「45」も追加されました。2001年からは、新規企業向けに製造者コードが7桁(国コード含め9桁)へと変更され、より多くの企業が登録できるようになっています。
Frequently Asked Questions
EAN-13とUPC-Aの違いは何ですか?
UPC-Aは北米で主流の12桁の規格です。EAN-13はこれを拡張したもので、先頭に国別接頭辞を付加して13桁にしています。システム上、UPC-Aの先頭に「0」を付け加えることでEAN-13として扱うことができます。
GS1接頭辞で製品の製造国は分かりますか?
必ずしもそうとは限りません。GS1接頭辞は、メーカーがどの国のGS1機関に登録したかを示すものであり、実際の製造地を保証するものではないためです。
EAN-8はどのような時に使われますか?
商品のサイズが非常に小さく、標準的なEAN-13のバーコードを印字するスペースがない場合に利用されます。
チェックディジットの役割は何ですか?
スキャン時にバーの一部が欠けていたり、読み取りエラーが発生したりした場合に、計算上の不整合を検知して「誤読」として弾くための安全装置の役割を果たしています。
JANコードは海外でも使えますか?
はい。JANはEAN規格に基づいているため、世界中のEAN対応スキャナーで読み取ることができ、国際的な流通が可能です。
References
- "European Article Number: Was das ist und wie man sie beantragt" (in German). 30 September 2019. Archived from the original on 17 December 2019. Retrieved 17 December 2019.
- GS1 India (2021-06-07). "EAN 13 – The Barcode Number". Archived from the original on 2021-06-27. Retrieved 2021-06-27.
The first three digits of the EAN-13 serve as the GS1 Prefix
{{}}: CS1 maint: numeric names: authors list () - Prefix List, GS1, archived from the original on 2014-12-28, retrieved 2010-09-25.
- "Barcodes for Books". Archived from the original on 2013-01-02. Retrieved 2012-12-20.
- "EAN-13 Symbology". www.barcodeisland.com. Archived from the original on 2016-01-14. Retrieved 2016-05-01.
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- "Bar Code Guide – Barcode Types – JAN". Archived from the original on 2013-01-27. Retrieved 2016-05-02.
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