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Phoenix New Timesアリゾナ州のカウンターカルチャーから生まれた独立系メディアの軌跡

アメリカ・アリゾナ州フェニックスを拠点とするPhoenix New Timesは、単なる地域ニュースサイトではありません。デジタル版での日次配信と、毎週木曜日に発行されるプリント版を併せ持つこのメディアは、地元のグルメ、音楽、アート、大麻事情から、深く切り込んだ調査報道まで、幅広いコンテンツを提供しています。

もともとは学生たちの反体制的な精神から誕生したこのメディアは、半世紀以上にわたり、権力への監視役としての役割を果たしてきました。現在はVoice Media Groupの傘下にあり、CEOのスコット・トビアス氏のもと、マット・ヘニー編集長が指揮を執っています。

Key Facts

  • 設立: 1970年9月(当初はNew Timesとして創刊)
  • 運営形態: 無料のデジタルメディアおよび週刊タブロイド紙
  • 所有者: Voice Media Group(2013年より)
  • 発行部数: プリント版 約30,000部(2023年時点)
  • 主なコンテンツ: 地域ニュース、文化、芸術、ロングフォーム・ジャーナリズム

創刊の背景:学生たちの反逆精神から

1970年、アリゾナ州立大学(ASU)の学生グループが、その年の春に起きたケント州立大学射撃事件への抗議として、カウンターカルチャー(対抗文化)的な視点を持つ新聞を創刊しました。フランク・フィオーレ氏らが中心となり、反戦運動の声を届ける場として構想されました。

当初は「Arizona Times」という名称で、スタッフの学生アパートで編集・制作されていましたが、同年9月の大学向け号の発行に合わせて、現在の「New Times」へと改称されました。このように、同紙は権力に対する批判的な精神をそのDNAに刻んでスタートしたメディアなのです。

報道の自由を巡る激しい衝突

Phoenix New Timesの歴史は、当局との激しい対立の歴史でもあります。特に記憶されるのが、マリコパ郡のジョー・アルパイオ保安官との長期にわたる紛争です。

大陪審情報の公開と逮捕劇

2007年10月、共同創設者のマイケル・レイシー氏とジム・ラーキン氏は、大陪審の秘密情報を漏洩したとして逮捕されました。事の発端は、アルパイオ保安官の不動産取引に関する記事を巡り、検察側がウェブサイトの閲覧履歴やIPアドレスなど、読者の個人情報を網羅した召喚状を提示したことにあります。

同紙はこの召喚状の内容を「市民不服従」として公開し、それが逮捕に繋がりました。しかし、逮捕から24時間以内に起訴は取り下げられ、後に2013年には不当逮捕に対する訴訟で、マリコパ郡側が375万ドルを支払うことで和解に至っています。

現代における取材活動と法的争い

報道の自由を巡る争いは現代でも続いています。2023年、ウェンディ・ロジャース州上院議員が、同紙の記者キャムリン・サンチェス氏に対し、ストーキングを理由に接近禁止命令を申請しました。サンチェス記者は、ロジャース議員の実際の居住地が選挙区内にあるかという疑惑を調査していました。

しかし、裁判所はこの申請を棄却しました。判事は、調査報道は「正当な目的」であり、合衆国憲法修正第1条(言論・出版の自由)によって保護されるべきであるとの判断を下しました。

メディア概要まとめ

Phoenix New Times 企業・媒体情報
項目 詳細
本社所在地 アメリカ合衆国アリゾナ州フェニックス
ISSN 0279-3962
所有構造 Voice Media Group(2013年に経営陣が買収)
配信形式 ウェブサイト(毎日)およびプリント版(毎週木曜)

Frequently Asked Questions

Phoenix New Timesはどのようなメディアですか?

アリゾナ州フェニックスを拠点とする無料のデジタル・プリントメディアです。地元のニュースや文化情報に加え、権力を監視する調査報道に強みを持っています。

誰が運営しているのですか?

Voice Media Groupが所有しており、現在はスコット・トビアス氏がCEO、マット・ヘニー氏が編集長を務めています。

創刊されたきっかけは何ですか?

1970年にアリゾナ州立大学の学生たちが、ケント州立大学射撃事件への抗議や反戦運動の声を届けるためのカウンターカルチャー誌として創刊しました。

過去にどのような法的トラブルがありましたか?

当局による読者の個人情報提供要求に抵抗し、創設者が逮捕された事件や、政治家の居住地を調査した記者が接近禁止命令を申し立てられた事件など、報道の自由を巡る争いがありました。

プリント版は今でも発行されていますか?

はい。毎週木曜日に発行されており、2023年時点での発行部数は約30,000部となっています。

References

  1. "Village Voice Media Holding's 13 Alternative Newsweeklies Sold to Newly Formed Voice Media Group". AltWeeklies. Retrieved September 24, 2012.
  2. "Village Voice Alt-Weekly Chain Sold In Management Buyout". Forbes. Retrieved September 24, 2012.
  3. "Westword ownership to be based in Denver, again, after Voice Media Group deal". Westword. Retrieved September 24, 2012.
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